
建設業で独立を検討している方もいるでしょう。しかし、「何から準備をすれば良いのか」「失敗しないか」など、心配なことも多いでしょう。
そこで今回は、建設業で独立するにはどうすれば良いか、必要な資金や独立開業で失敗しないためにどうすれば良いかを解説していきます。
建設業の独立での失敗例
建設業での独立は、自身の技術を活かし、大きなやりがいと収入を得られる可能性がある魅力的な選択肢です。しかし、その一方で多くの人が陥りがちな失敗パターンも存在します。
ここでは、独立後の「こんなはずではなかった」を防ぐために、よくある失敗例を4つご紹介します。これらの事例を事前に知っておくことが、失敗を回避し、成功への道を切り拓く第一歩となります。
仕事を獲得できない
建設業での独立におけるもっとも深刻で、もっとも多い失敗例が「継続的に仕事を獲得できない」ことです。
「現場での腕には自信があるから、独立しても何とかなるだろう」「前の会社の繋がりで仕事はもらえるはず」といった見込みで独立したものの、いざ開業してみると依頼が全く来ない、というケースです。知り合いからの紹介が途絶えたり、元請けの方針が変わったりして収入が不安定になり、事業の継続が困難になります。
主な要因として考えられることとして、以下のようなものがあります。
- 現場経験は豊富なものの営業経験が不足しており、仕事を獲得できなかった
- 特定の取引先や人脈に依存しすぎて関係が途絶えた時に一気に売り上げがなくなった
- ホームページやSNSなどの仕組みができておらず、集客できなかった
上記のように、仕事を獲得できない理由としてさまざまなものがあります。独立の際は、どうやって集客するかも考えておくことが重要です。
経営の知識が不十分だった
職人としての技術は一流でも、経営者としての知識が不足していたために失敗するケースも後を絶ちません。
売上はあるはずなのに、なぜか手元にお金が残らない。税金や社会保険料の支払いが迫ってきて、初めて資金繰りの大変さに気づく、というパターンです。どんぶり勘定で経営を続けた結果、資金がショートして廃業に追い込まれます。
主な要因としては、以下のようなことが考えられます。
- 売上の入金サイクルと経費の支払いのタイミングを把握していないなど資金管理が甘い
- 経費や自社の利益を正確に計算せず、感覚で見積もりを出してしている
- 確定申告や各種保険の手続きなど、事業主として必須の知識がなく、後から追徴課税などのペナルティを受けてしまった
独立したら会社を安定させるためにも、経営の勉強をすることが重要です。
一人で業務を自分で遂行できなくなった
一人親方として独立したものの、事業が軌道に乗り始めた途端に業務が回らなくなるのも、よくある失敗例です。
現場作業、顧客対応、見積もり作成、経理・事務作業など、すべての業務を一人で抱え込んでしまい、キャパシティオーバーに陥ります。結果として、休みなく働き続けて体調を崩したり、仕事の品質が低下して顧客の信頼を失ったりします。
主な要因を見ていきましょう。
- 事業が成長するにつれて、現場以外の業務が想像以上に増えてしまい見込みが甘かったことに気づく
- 人を雇ったり、業務の一部を外注したりするタイミングを逃し、一人で抱え込み続けてしまい、パンクした
もらった仕事を遂行するためにも、早めに対処しなければなりません。
利益が出なかった
仕事は順調に受注できているにもかかわらず、利益が思うように出ないケースです。忙しいだけで儲からない「ワーキングプア」の状態に陥ってしまいます。
月の売上目標は達成しているのに、材料費や外注費、経費などを支払うとほとんど利益が残らない。もしくは、追加工事や予期せぬトラブルで赤字になってしまうこともあります。
主な要因として以下のようなことが考えられます。
- 価格競争に巻き込まれ、安値で仕事を受けすぎてしまい、十分な利益を確保できていない
- 材料費や人件費、運搬費、事務所の維持費といった全てのコストを正確に把握せず、感覚で見積もりを作成している
- 工期の遅れや予期せぬ追加工事など、万が一のリスクを考慮した価格設定ができていない
生活していくためにも利益を得なければなりません。そのためにも、安価で仕事を受けずに適切に利益を得るような価格設定が必要です。
建設業で独立・開業するには?

建設業での独立は、周到な準備と計画が重要です。技術や経験だけでなく、経営に関する知識や各種手続きも知らなければいけません。
ここでは、独立・開業するのに必要なことを9つ解説していきます。
開業方法を決める
最初に決めるべきは、事業の形態です。大きく分けて「個人事業主(一人親方)」として始めるか、「法人」を設立するかの2つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自身の事業規模や将来の展望に合わせて慎重に選びましょう。
例えば、一人親方や個人事業主は開業手続きが比較的簡単で費用を抑えられるものの、社会的信用度が法人よりも低く、大規模な工事の受注や金融機関からの融資で不利になることがあります。
法人だと社会的信用度が高く、金融機関からの融資や大手企業との取引で有利になります。ただ、設立の手続きが複雑で費用もかかります。社会保険への加入義務など維持コストも個人事業主より高いです。
資格を取得する
建設業において、資格は技術力の証明であり、信頼の証です。特定の資格がなければ行えない工事も多く、受注できる仕事の幅を広げるためにも資格取得は非常に重要です。
例えば、建設業で代表的な資格といえば、建築士、施工管理技士、電気工事士、管工事施工管理技士などがあります。
これらの資格を取ることで、顧客からの信頼を得やすくなるだけでなく、公共工事の入札に参加できるなど、ビジネスチャンスが大きく広がります。独立前に会社に在籍しながら、実務経験を積みつつ計画的に取得を目指しましょう。
資本金を用意する
事業を始めるためには、運転資金となる資本金が必要です。工具や車両の購入費、事務所の賃料、当面の生活費などを考慮し、余裕を持った資金計画を立てましょう。
開業後すぐには売上が立たない可能性も考慮し、少なくとも3ヶ月〜半年分の運転資金と生活費を用意しておきましょう。また、自己資金だけで不足する場合は、日本政策金融公庫の創業融資や、地方自治体の制度融資などの利用を検討することも大切です。しっかりとした事業計画書を作成することで融資審査を通過できます。
開業届などの申請を行う
事業を開始するには、法的な手続きが必要です。
個人事業主の場合、管轄の税務署に「開業届」を提出します。節税メリットの大きい青色申告を利用したい場合は、併せて「青色申告承認申請書」も提出しましょう。
法人化する場合は、定款の作成・認証、法務局への設立登記など、より複雑な手続きが必要になります。司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。
建設業許可を取得する
請け負う工事の規模によっては、「建設業許可」の取得が法律で義務付けられています。
許可が必要なケースは、消費税込みで1件500万円以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上)を請け負う場合です。
500万円未満の工事であれば許可がなくても工事を請け負えますが、大規模な工事を受注できず、事業の成長が頭打ちになってしまいます。
また、許可を持っていることは企業の信頼性の高さを示すことにも繋がり、元請け業者や顧客からの評価も高まります。独立の際は建設業許可の取得も検討しましょう。
事務所を構える
事業を行うための事務所を準備しましょう。先述した建設業許可を取得する際、独立した事務所の設置が要件となる場合があるので、取得する場合は必ず事務所を構えてください。
自宅の一部を事務所として利用する、賃貸オフィスを借りるなど、事務所の構え方はさまざまです。事務所を準備する際は、顧客との打ち合わせスペースや、書類・機材の保管場所も考慮して選びましょう。
備品を用意する
工具一式、作業着、安全靴、トラックやバンなどの車両といった現場で必要なものはたくさんあります。また、パソコン、プリンター、電話、インターネット回線、見積書や請求書を作成するための会計ソフトといった事務所でも必要な備品は多いです。これらの備品も独立時に漏れなく準備しましょう。
ホームページを作る
現代において、ホームページは会社の「信頼できる名刺」です。
ホームページには会社概要や施工事例が掲載されます。これが顧客に安心感を与え、信頼性の向上にも繋がります。
また、ホームページは24時間働く営業ツールです。自社の強みや過去の施工実績を掲載することで、新たな顧客獲得につながります。
さらに求人票としての効果も期待できるでしょう。将来的に従業員を募集する際の受け皿にもなります。
コストを抑えて自分で作成することも可能ですが、専門業者に依頼して質の高いサイトを作ることも検討しましょう。
人脈を広げる
建設業界では、横のつながりが非常に重要です。
困ったときに助け合える同業者や、仕事を紹介してくれる元請け業者、新たな顧客を紹介してくれるお客様など、良好な人間関係が事業を支える大きな力となります。
独立前から意識して、取引先や同僚と良好な関係を築いておきましょう。独立後も、地域の商工会議所や業界団体に所属するなど、積極的に交流の場に参加することが大切です。
建設業の独立に必要な資金の目安
建設業で独立開業する際に、一体いくらの資金が必要になるのかは、最も気になるポイントの一つでしょう。事業の形態や規模によって大きく変動しますが、一つの目安としておおよそ500万円~1,000万円程度の資金があると、余裕を持ったスタートが切れるでしょう。
具体的にどのような費用がかかるのかを見ていきましょう。
会社設立・各種手続き費用
法人として会社を設立する場合には、以下のような法定費用がかかります。個人事業主として開業する場合は、これらの費用は基本的に不要です。
- 定款に貼る収入印紙代: 4万円(電子定款なら不要)
- 定款の認証手数料: 3万円~5万円
- 定款の謄本発行手数料: 約2,000円
- 登録免許税: 資本金の0.7%(最低15万円)
司法書士などの専門家に依頼する場合は、別途手数料がかかります。
設備投資費用
事業を行うために必要な設備を揃える費用です。
- 車両費: トラック、バンなどの購入費・リース費用
- 工具・機材費: 業務に必要な工具や機械の購入費
- 事務所関連費:事務所の契約費用: 敷金、礼金、前家賃、仲介手数料など(賃貸の場合)、オフィス家具・備品: デスク、椅子、パソコン、電話、プリンターなど
これらは何をどこまで揃えるかによって金額が大きく変わります。中古品やリースをうまく活用して初期投資を抑える工夫も重要です。
運転資金
開業してすぐに仕事があり、すぐに入金されるとは限りません。売上が安定するまでの間、事業を継続していくための「運転資金」は非常に重要です。
- 事務所の家賃、光熱費
- 材料の仕入れ費用
- 外注費、人件費(従業員を雇う場合)
- 自身の生活費
資金繰りがショートしないよう、最低でも3ヶ月分、できれば半年分の運転資金を準備しておくのが理想です。これらの費用を合計すると、やはり数百万円単位の資金が必要になることがわかります。
自己資金が不足する場合は、日本政策金融公庫の創業融資などを積極的に活用しましょう。
建設業で独立した場合どのくらい稼げる?

独立後の収入は、誰もが最も関心を寄せる点でしょう。もちろん、個人のスキル、営業力、事業規模によって大きく異なりますが、一般的に建設業で独立した場合の年収は500万円前後が一つの目安とされています。
これはあくまで平均的な数字であり、独立1年目から安定して稼げる保証はありません。会社員時代と違い、収入が不安定になるリスクは常に念頭に置く必要があります。
しかし、建設業で独立するといくらでも稼げる可能性があります。働き方や経営の工夫次第では、年収1,000万円以上を目指すことも決して夢ではありません。
年収を上げるポイントとしては以下のようなものがあります。
- 高い専門性や特殊なスキルを身につける
- 元請けとして直接工事を受注する
- 効果的な営業・集客で、継続的に高単価な案件を獲得する
- 従業員を雇用し、事業規模を拡大する
会社員のように給与の上限が決まっているわけではなく、自分の努力と才覚次第で収入を大きく伸ばせる点が、独立の最大の魅力と言えるでしょう。
建設業の独立で失敗しないためには?
建設業での独立は、大きな可能性を秘めている一方で、多くのリスクも伴います。安定した事業を継続し、「失敗だった」と後悔しないためには、勢いだけでなく、入念な準備と正しい知識が不可欠です。
ここでは、建設業の独立で失敗を避け、成功確率を高めるための6つの重要なポイントを解説します。
独立するデメリットを理解する
独立を夢見るときはメリットばかりに目が行きがちですが、まずは会社員でいることの安定性を手放すデメリットを正しく理解することが重要です。
- 収入が不安定になる
- 社会的信用が低下し、ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりする際の審査が厳しくなる
- 現場作業だけでなく、経理、営業、事務など、すべての業務を自分でこなす必要がある
- 仕事上のトラブルや事故など、すべての責任を自身で負わなければいけない
これらのデメリットを受け入れる覚悟があるか、自問自答することが最初のステップです。
企業在職中に知識と経験を積む
「習うより慣れよ」の精神も大切ですが、準備不足での独立は失敗の元です。会社に在籍している期間は、独立のための絶好の準備期間と捉えましょう。
- 技術・スキルを習得する
- 経営視点を養う
- 人脈を構築する
在職中にできる限りの知識と経験、そして人脈を蓄積することが、独立後の強力な武器となります。
資金を十分に確保する
「建設業の独立で必要な資金の目安」でも解説した通り、資金不足は事業継続を困難にする最大の要因の一つです。
- 事業用の設備投資費用や会社設立費用に加え、売上が安定するまでの数ヶ月分の運転資金と生活費を必ず確保しておく
- 自己資金だけでは不十分な場合、どこからどのように資金を調達するのか、事前に調べて計画を立てておくことが重要
「お金がないから仕事を続けられない」という最悪の事態を避けるためにも、資金計画は念入りに行いましょう。
営業をする
職人としての腕に自信があっても、「待ち」の姿勢では仕事は舞い込んできません。独立後は、自ら仕事を取りに行く「営業活動」が必須です。
- 既存の人脈に独立したことを伝え、仕事がないか積極的にアプローチする
- 地域の工務店やリフォーム会社に営業をかけたり、異業種交流会に参加したりして、新たな人脈を開拓する
- ホームページやSNSを活用し、オンラインでの集客チャネルを構築する
上記のようにさまざまなツールを用いて営業をかけて、仕事を獲得していきましょう。
労災保険の特別加入を検討する
建設業は他の業種に比べて労働災害の発生率が高いというリスクがあります。会社員であれば会社の労災保険で守られていますが、一人親方などの個人事業主は、原則として労災保険の対象外です。
そこで活用したいのが「労災保険の特別加入制度」です。これは、本来対象外である事業主が、任意で労災保険に加入できる制度です。
万が一、仕事中に怪我をして働けなくなった場合に、治療費や休業中の生活費が補償されます。
安心して事業を続けるための「お守り」として、必ず加入を検討しましょう。
SNSを活用する
ホームページと並行して、インスタグラムやFacebookなどのSNSを活用することも、現代の集客において非常に有効な手段です。
SNSは無料で始めることができます。また、施工事例や現場の様子を写真や動画で気軽に発信でき、ユーザーと直接コミュニケーションが取れ、信頼関係を築きやすいというメリットもあります。
特に、ビジュアルが重視されるインスタグラムは建設業との相性が良く、施工事例を投稿し続けることで、自社のファンを増やし、未来の顧客へと育てることができます。
地道な情報発信が、将来の安定した受注につながるでしょう。
まとめ
建設業の独立を検討している方は、失敗しないためにも知識を身につけることが重要です。また、独立を検討するならボランタリーチェーンやフランチャイズチェーンへの加入も検討すると良いでしょう。
ボランタリーチェーンであるLIXILリフォームネットでは、リフォーム事業に必要な営業・提案ツールを多数ご用意しています。(※建設業許可や建築士の配置などは必要ありません。)
フランチャイズチェーンのLIXILリフォームショップでは、LIXILのオリジナルコンテンツを活用して、
高単価・高収益案件を安定して獲得し続けるリフォーム事業をご支援しております。(※建設業許可や建築士の配置などの加盟要件がございます)
ご興味ある方は、資料請求または動画視聴からお申込みの上、ご検討ください。

