
春は「害虫のスタートシーズン」
気温が15℃前後になると、多くの虫は活動を始めます。特に注意したいのが、住宅被害につながるシロアリです。シロアリは、地面の中や木材の内部など、目に見えない場所で活動する昆虫。普段の生活では気づきにくいため、被害が進行してから発見されるケースも少なくありません。
さらに春から初夏にかけては、羽アリが飛び立つ「群飛(ぐんぴ)」という現象が起きる時期でもあります。これは、新しい巣を作るためにシロアリが移動するタイミング。つまり、家の周囲にシロアリが広がりやすい季節でもあります。
シロアリ被害は「静かに進行する」
シロアリの怖いところは、気づいたときには被害が大きくなっていることです。多くの場合、長い時間をかけて静かに進行します。柱や土台など、住宅の構造部分を食べ進めるため、放置すると建物の強度に影響することもあります。
- 床を歩いたときにふわふわした感覚がある
- ドアや窓の開閉がスムーズでなくなる
- 壁や床に不自然な膨らみや歪みが見られる
- 羽アリを家の周りで見かける
こういった症状が出る場合、内部の被害がかなり進んでいることも少なくありません。修繕費用も高額になりやすく、被害の規模によっては100万円近くの費用がかかるケースもあります。だからこそ、重要なのは「被害が出てからの対策」ではなく、未然に防ぐ対策です。

春にやっておきたい防蟻対策
春のうちに対策をしておくと、害虫の活動が活発になる季節でも安心感が違います。まずは、家の周りでできる基本的なチェックから始めてみましょう。
外まわりの環境を見直す
シロアリは湿気を好みます。家の周囲の環境を整えるだけでも、リスクを下げることができますよ。
チェックしたいポイントは次の通りです。
家の基礎まわりに木材や段ボールを置いていないか
雨どいや排水口が詰まっていないか
エアコン室外機の排水が溜まっていないか
庭木やウッドデッキが外壁に密着していないか
こうした場所は、湿気がこもりやすく、シロアリの侵入ルートになる可能性があります。
床下環境がシロアリ対策のカギになる
床下の環境は、シロアリ対策にとても重要です。床下は普段見ることがないため、湿気が溜まりやすい状態になっていても気づきにくい傾向にあります。湿気が多い状態が続くと、木材の劣化だけでなく、シロアリにとっても快適な環境になってしまいます。
日頃から、
床下換気口の前に物を置かない
基礎周りの土壌に水が溜まらないようにする
雨水が建物側に流れないよう庭の勾配を確認する
といった点を意識することが大切。住まいを長持ちさせるうえでも非常に重要なメンテナンスです。
防蟻処理の期限を確認する
新築住宅の多くは、建築時に防蟻処理が行われています。しかし、この効果は永久ではありません。
一般的に、防蟻処理の効果は約5年程度といわれています。そのため、築5年前後は特に重要なタイミング。この時期に点検や再処理を検討することで、将来の大きな被害を防ぐことにつながります。

春の「住まいパトロール習慣」
防蟻対策を特別なものと考えると、つい後回しになってしまいがちです。そこでおすすめなのが、春の「住まいパトロール習慣」をつくること。暖かくなった週末に、家の周りをぐるっと一周するだけでも十分です。
そのときに、
- 基礎まわり
- ベランダ排水口
- 外壁の隙間
- 雨どい
- 庭の木材や資材
などを確認する。さらに、スマートフォンで写真を撮って記録しておくと、前年との変化にも気づきやすくなります。
この「毎年同じ時期に家を見る習慣」は、住まいを長持ちさせるうえで、とても効果的な方法です。
対策は"虫が出る前"がいちばん効果的
シロアリや害虫の対策は、問題が起きてからではなく、活動が始まる前の準備が大切です。春は、住まいの外まわりを見直すのにぴったりの季節。
- 家の周囲の環境を整える
- 湿気を防ぐ
- 防蟻処理の時期を確認する
こうした小さな行動の積み重ねが、住まいを長く守ることにつながります。本格的な虫のシーズンが始まる前に、今年の春は、住まいの防蟻・防虫対策を見直してみてはいかがでしょうか。
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