
「先進的窓リノベ2025事業」とは
「先進的窓リノベ2025事業」は、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して行う住宅の断熱改修支援事業です。正式名称の通り、"窓"のリフォームを対象とした補助金制度で、断熱性能の高い窓への改修を行うと、そのグレードに応じて補助金が交付され費用を一部負担してくれます。
この制度は、住宅の省エネ化と光熱費削減を目的として2023年度から始まった「先進的窓リノベ事業」の後継版で、2025年度も継続して実施されています。補助対象は主に、
- 既存住宅の窓の交換(リフォーム)
- 内窓(二重窓)の設置
- ガラス交換
例えば、窓ガラスを断熱性能の高いものに交換したり、内窓を追加して寒さ対策を強化したり、外窓を新しいものに取り替えたりする工事が対象になります。また、窓と一緒にドアも交換する場合(※窓の工事と同じ契約に限ります)も対象です。このように、戸建住宅で家中の窓を高性能タイプに交換する場合、条件を満たせば最大200万円の補助を受けることが可能です。リフォーム費用の3〜5割が補助される計算になるため、これまで費用面でためらっていた方にとっては大きな後押しとなります。
補助金額は住宅の建て方や設置する窓の性能・サイズ、そして設置方法によって異なります。補助金を最大限に活用するためには、リフォーム業者とじっくり相談してみてください。
窓リフォームの効果
では、実際に窓をリフォームするとどんな効果があるのでしょうか。
まず大きいのは断熱性能の向上です。冬場、住宅の中で最も熱が逃げるのは窓であり、なんと約6割が窓から失われているとも言われています。古いアルミサッシや単板ガラスは外気の影響を受けやすく、冷たい空気を室内に伝えてしまいます。一方、樹脂サッシや複層ガラスを採用した高断熱窓に交換すれば、室内の温度をしっかりキープでき、暖房効率が大幅にアップします。
また、窓の断熱化は結露の軽減にも効果的です。結露が減ることでカビやダニの発生を防ぎ、家の寿命を延ばすと同時に、健康的な住環境を保つことができます。さらに、外気の侵入が抑えられることで、夏場の冷房効率も改善。季節を問わず快適な住まいが実現します。
加えて、防音性が高まるのも大きなメリットです。交通量の多い道路沿いや近隣の生活音が気になる住宅でも、複層ガラスや樹脂サッシに交換することで、静かで落ち着いた空間を手に入れることができます。

今すぐ検討すべき理由
今回の補助金は、2024年11月22日以降に対象工事に着手し、2025年12月31日までに工事が完了するものが対象となります。補助金の申請受付時期は、次の日程の通りです。
| 申請の予約受付(任意) | 2025年3月31日~11月14日まで |
|---|---|
| 本申請の受付 | 2025年3月31日~12月31日まで (※一括/ワンストップ申請の開始は2025年5月30日~) |
また、今回の補助金制度には「予算上限」があります。申請が殺到すれば、予算に達した時点で早期終了する可能性もあります。実際、過去の「先進的窓リノベ2023」では、想定を上回るスピードで申請が進み、受付期間の途中で終了してしまったケースもありました。
申請には性能要件を満たした製品を使う必要があり、施工業者の選定や製品発注にも時間がかかります。「寒くなってから検討しよう」では間に合わないかもしれません。寒さが厳しくなる前の今こそ、見積もりや業者選びを始める絶好のタイミングです。興味がある方は、できるだけ早めにリフォーム業者に相談し、予約手続きを進めることをおすすめします。
申請方法
補助金の申請は、原則として施工業者が代理で行う仕組みになっています。個人が直接申請する必要はありません。
流れとしては、
- 施工業者に相談し、対象製品・補助額を確認する
- 工事内容と見積もりを確定
- 業者が「事業者登録」を行い、交付申請を代行
- 工事完了後に補助金が還付
という手順になります。
補助対象となる窓やサッシは、「登録された製品リスト」の中から選ぶ必要があります。また、契約日や工事完了日が事業期間内に収まっていなければならないため、スケジュールの確認も重要です。

先進的窓リノベ2025事業の注意点
補助金制度を活用する際には、いくつかの注意点があります。
まず、対象が「既存住宅」限定である点。新築住宅は対象外です。※築1年以内も対象外
次に、補助金は工事費の一部であり、全額がカバーされるわけではないこと。性能グレードや窓の大きさによって補助額は細かく設定されています。
また、補助金を受け取るには、工事を行う施工業者が「登録事業者」であることが必須条件です。登録されていない業者に依頼した場合、後から補助申請ができないケースもあります。見積もり時点で必ず確認しておきましょう。業者検索ページで、お住まいの地域やその他の条件に合った業者を探すこともできます。
さらに、補助金の交付は後払い方式のため、いったん自己負担で工事費を支払う必要があります。補助金の振り込みまで数か月かかることもあるので、資金計画にも余裕を持っておくと安心です。
まとめ
窓の断熱リフォームは、寒さや結露といった冬の悩みを解消するだけでなく、電気代の節約や快適な住環境づくりにもつながる賢い投資です。そこに国の補助金が活用できる今は、まさに絶好のタイミング。「先進的窓リノベ2025事業」をうまく利用すれば、最大200万円の補助で高性能な窓リフォームが実現します。ただし、予算には限りがあり、申請が集中すれば早期終了もあり得ます。
寒さが本格化する前に、まずはお近くのリフォーム会社や工務店に相談してみましょう。補助金を賢く活用して、冬でも暖かく、光熱費にも優しい快適な住まいを手に入れてください。
一覧へ戻る