
洗濯機パンとは?なぜ汚れるの?
洗濯機パンとは、洗濯機の下に設置されている四角い受け皿のようなパーツのことを指します。正式には「防水パン」とも呼ばれ、万が一洗濯機から水漏れが発生した際に床への浸水を防いだり、水を排水口に導いたりする役割があります。一見地味な存在ですが、実は洗濯機パンは住宅を水トラブルから守る大切な設備のひとつです。
しかし、洗濯機の真下という"見えない・手が届かない場所"にあるため、掃除が後回しになりがち。気づかないうちにホコリ、髪の毛、洗剤カス、湿気などが溜まり、汚れが蓄積されやすいのが現実です。
だからこそ、普段は目にしない洗濯機パンにも定期的なお掃除が必要なのです。

洗濯パンを掃除しないとどうなる?
洗濯機の排水口周辺は、水気が常に残りやすく、湿気と汚れが混ざり合うことでカビやヌメリが発生しやすくなります。加えて、ホコリや汚れに引き寄せられて、ダニやゴキブリなどの害虫が集まりやすくなることも。見た目では気づかないかもしれませんが、放置すればするほど臭いや害虫の原因となり、清潔な洗濯空間を脅かす可能性が高くなります。
悪臭が漂う
洗濯パンがある家では、「排水トラップ」という仕組みで、通常は下水のニオイが上がってこないように作られています。でも安心は禁物。ホコリや髪の毛、洗剤のカスなどが洗濯パンにたまり続けると、そこに雑菌が繁殖して、イヤ〜なニオイが発生します。
「最近、洗面所がなんとなく臭う」「仕事から帰ってくると家に入った瞬間クサい気がする」と感じているなら、掃除するタイミングと言えそうです。
カビやヌメリの発生
洗濯機の使用後は水滴や結露が発生しやすく水気が多いうえに、洗剤カスや皮脂汚れなどカビや雑菌の栄養になるものがたくさん。さらに、洗濯パンは洗濯機の下にあるので、日が当たらず風通しも悪いため、湿気がこもりがち。つまり、カビやヌメリが発生しやすい環境が整っているというわけです。
「洗濯槽クリーナーを使っているから大丈夫」と思っていても、洗濯パンが汚れていれば根本的な解決にはなりません。
水漏れする
洗濯中に出る糸くずが洗濯パンにたまると、排水の流れが悪くなり、水があふれてしまうことがあります。特に注意したいのは、排水口が完全に詰まったケース。水が洗濯パンに逆流して、ついには床まで濡れて、床材が傷んでしまいます。とはいえ、排水口や配管の中まで目で見て確認するのは難しいです。
「ちょっと心配かも...」と感じたら、無理せず業者に排水管の点検やクリーニングをお願いしましょう。
害虫の温床になるケースも
洗濯パンは洗濯機の真下にあり、日光も風も届きにくいため、常に湿気がこもりがちです。この「暗所+湿気」という環境は、ゴキブリやダニが好む代表的な条件。
また、洗濯パンの周囲には、洗濯時に出たホコリや髪の毛、洗剤カス、皮脂汚れなどが蓄積されやすく、生き物にとっての「エサ場」となります。とくにゴキブリは雑食性で、洗剤カスやカビ、髪の毛、ホコリまでもエサとして利用するのです。ダニも、人の皮膚やフケ、カビをエサとするため、ホコリだまりや湿気がある洗濯パン周辺は格好の住処となります。

自分で洗濯パンを掃除する方法
ここからは、洗濯パンを自分で掃除する方法をご紹介します。洗濯機を「動かせる場合」と「動かさない場合」で手順が変わるので、ご家庭の状況に合わせて無理のない方法を選んでください。
洗濯機を動かせる場合
洗濯機を動かす前には、必ず水抜きをしておきましょう。以下の手順で進めてください。
- 給水ホース: 水道の蛇口を閉めてから、洗濯機をスタートさせる(約1〜2分)
- 本体(洗濯槽): 脱水モードを選び、一番短い時間で脱水を実行する
- 排水ホース: 排水ホースを排水口から外し、本体側から出てくる水を雑巾で受け止める
その後、コンセントを抜いてから洗濯機本体をゆっくり動かします。洗濯パンにたまったホコリやゴミは掃除機で吸い取り、濡れ雑巾で丁寧に拭き取ります。洗濯機の裏や足元も意外と汚れているので、お忘れなく。仕上げに防カビ剤や除菌スプレーを使えば、ニオイ・カビの予防にも効果的です。
洗濯機を動かさない場合
洗濯機は重さが50〜80kgもあるため、無理に動かすと腰を痛めたり、床にキズをつけてしまうリスクがあります。そんなときにおすすめなのが、針金ハンガーです。
針金ハンガーを細く伸ばして、先にストッキングや布を巻きつけます。それを洗濯機と床のすき間に差し込んで動かします。これだけでも、静電気の力でホコリや髪の毛がしっかり取れます。針金ハンガーがない場合は、ワイパーシートや掃除機の細ノズルを使うのも〇。
次に、中性洗剤やアルコールスプレーを布に吹きかけ、ワイパーに巻いて汚れを拭き取ります。仕上げに、防カビスプレーを吹きかけておくと、カビ予防に効果的です。ホームセンターなどに「洗濯パン専用クリーナー」や「隙間掃除棒」などの便利グッズが販売されていますので、気になる方はチェックしてみてください。
洗濯機まわりの掃除を依頼するといくら?
「自分で掃除するのはちょっと大変...」という場合は、無理せずプロに頼みましょう。作業内容や家の状況によって料金は変わってくるので、まずは見積もりを依頼してみてください。
洗濯機クリーニング
洗濯機まわりのクリーニング料金は、1万5千円〜3万円が相場です。洗濯機のタイプ(縦型かドラム式か)や、分解洗浄が含まれるかどうか、洗濯機の下まで掃除するかなどによって料金は変わります。
かさ上げ台設置
今後の掃除を少しでもラクにしたいなら、かさ上げ台(洗濯機の下に置く台)の設置オプションを検討してみましょう。洗濯機の高さが上がることで、洗濯パンや排水口の掃除が格段にしやすくなります。費用は1万円前後が目安です。
排水管の洗浄
「下水臭がする」など、臭いが気になる方は排水管の洗浄も検討してみましょう。高圧洗浄機やトーラーなどの専門道具を使うと、排水管の奥深くまでしっかり掃除してもらえます。
まとめ
洗濯パンはふだん見えにくく、つい掃除を後回しにしがちな場所。でも、気づかないうちに汚れがたまり、悪臭・カビ・水漏れの原因になります。害虫の温床になることもあるため、汚れの放置は厳禁。月に1回程度の簡単なお手入れを習慣にするだけで、臭いや害虫のリスクをぐっと減らすことができます。
習慣にしてしまえば短時間で済み、清潔なランドリールームが保てますよ。この機会に、ぜひ一度、洗濯機の下をのぞいてみてください。
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