
排水口に関するトラブルの原因は?
排水口トラブルの原因は「詰まり」に起因するものがほとんどです。次のような症状は排水口詰まりのサインなので、見逃さないようにしましょう。
水の流れが悪い・逆流する
流し終わるまでに時間がかかる、水が溜まる、排水口から水が逆流するなどの症状が見られる場合、排水口詰まりが進行しているサインです。詰まりが重症化すると、水が完全に流れなくなりキッチンや浴室が使えなくなるため、日常生活に大きな支障をきたします。
排水口から嫌な臭いがする
排水口からの異臭の主な原因は、排水管に蓄積した汚れです。食べカスや油汚れ、髪の毛、石鹸カス、皮脂などは排水管に付着しやすく、腐敗すると嫌な臭いが発生します。
ボコボコと音がする
排水口が詰まりかけていると水の流れが遮られ、排水管内で行き場を失った空気が水と一緒に押し上げられることから、ボコボコとした異音を発生させます。
大量の水を一気に流した場合も、同じ理由で音が鳴ることがありますが、これは一時的な事象のため問題ありません。ボコボコ音がしばらく続く場合は、排水口の詰まりを疑ってください。
虫が発生する
水回りに発生するチョウバエなどの害虫は、油汚れや石鹸カスが大好物で、ジメジメとしてヌメリのある場所を好む習性があります。そのため、虫が発生する=排水口付近に汚れが溜まっている場合が多く、詰まりなど他のトラブルも発生しやすい状態になっていると考えられます。
排水口トラブルの改善方法
排水口の詰まりや異臭を放置すると、排水管の劣化が進み、最終的に大掛かりな修繕工事が必要になることもあります。深刻な被害に発展する前に対処しておきましょう。今回は、ご家庭にある身近な道具で実施できる、軽度の詰まりに効果的な方法を3つ紹介します。
重曹とクエン酸で汚れを取り除く
水回り掃除の定番グッズとなりつつある、重曹やクエン酸を使用する方法です。クエン酸がない場合は、お酢でも代用可能です。
- 排水口に重曹(約100g)を振りかける
- 1カップ程度のお湯にクエン酸(大さじ2杯)を溶かし、重曹の上からゆっくり注ぐ
- 30分ほど放置する
- 汚れがひどい箇所はブラシなどでこする
- お湯で洗剤を洗い流す

ラバーカップを使用する
ホームセンターや100円ショップで入手できるラバーカップ。トイレに使うイメージが強いですが、キッチンや浴室の排水口にも活用できます。
- 先端のラバー部分が完全に浸かるくらいまで水を溜める
- 排水口にラバーカップを密着させる
- ラバーカップを垂直にゆっくり押し込む
- 勢いよく引き抜く
- 詰まりが解消するまで、3〜4の動作を繰り返す

パイプクリーナーで詰まりを溶かす
頑固な詰まりに対処する場合、市販のパイプクリーナーを使用するのがおすすめです。
- 窓を開けたり換気扇を使用して、換気をよくする
- 排水口にパイプクリーナーを注ぐ
- 説明書に記載された時間(平均30分〜1時間)放置する
- 十分な量の水、またはお湯で一気に洗い流す
パイプクリーナーは強力な洗剤なので、換気を徹底する・熱湯は使わない・他の薬剤と混ぜない、などいくつかの注意事項があります。必ず説明書きを読んでから使用してください。

お手入れの目安頻度と正しいお手入れ方法
排水口のお手入れについて、キッチンや浴室は毎日〜週2,3回、洗面所は週1回、洗濯機は月1回の頻度で実施するのが理想です。基本的なお手入れ方法は次のとおりです。
- 排水口のフタやゴミ受けを取り外す。見える範囲のゴミは先に取り除いておく
- 取り外した部品をスポンジや歯ブラシで洗う
- 排水口内部も手の届く範囲で洗う
- 汚れがひどい場合、重曹+クエン酸や塩素系漂白剤を併用する
排水口の場所によって汚れの種類は異なるため、お手入れするときに洗剤や道具の使い分けが必要な場合もあります。油汚れやヌメリにはアルカリ性洗剤、水垢には酸性洗剤など、それぞれの汚れに効果的な洗剤を覚えておくと便利です。

トラブル回避のためのコツ
排水口の詰まりは一度解消しても、油や食べカス、石鹸カスなど汚れの蓄積によって再発します。日頃の予防で再発のリスクを減らしましょう。
<排水口詰まりの予防方法>
- 食器の油汚れはキッチンペーパーで拭き取ってから洗う
- 排水口ネットを使用する
- 使用済みの油は排水口に流さず、市販の凝固剤で固めてから捨てる
- 週に1回、排水口に40〜50℃程度のお湯を流す
また、ホームセンターや100円ショップには、排水口関連の便利なグッズ(ヌメリが取れる蓋やゴミを取り出しやすいゴミ受け、排水口掃除用のワイヤーなど)が揃っています。目的に合わせて取り入れることで、詰まりの予防効果アップが期待できます。ぜひ活用してください。
定期的な配管高圧洗浄がおススメ
日頃のお手入れにプラスして定期的に実施したいのが、業者による配管の高圧洗浄です。排水管の中に高圧の水を噴射することで、目には見えない内部の汚れをきれいに落とします。集合住宅の場合、管理組合が主体となって1〜2年に1回程度実施するのが一般的ですが、戸建て住宅は2年に1回を目安に実施するのがおすすめです。
費用相場は5万円前後で、排水管の数が多かったり、排水管構造が特殊なケースでは作業料金が追加になる場合もあります。1回あたりの費用は決して安くはありませんが、定期的な洗浄により排水管の寿命を延ばし、結果的にトータルの修繕費を節約することができます。

まとめ
排水口トラブルの原因のほとんどは、排水口の詰まりです。特にキッチンや浴室など毎日使う場所は汚れが溜まりやすいため、普段からの予防やお手入れが欠かせません。水が流れにくいなどの症状が現れたら、そのまま放置せずすみやかに対処してください。
ただし、詰まりが解消されなかったり、複数の排水口で詰まりが発生している場合は、状況が深刻化している可能性が高いため、専門業者に依頼して対処してもらいましょう。
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