
「教育訓練給付金」とは
「教育訓練給付金」は、厚生労働大臣が認定した講座を受けると、入学金や授業料の一部が戻って来るという制度です。まずは、教育訓練給付金の基本を確認しましょう。
参照:教育訓練給付金があなたのキャリアアップを支援します | 政府広報オンライン
教育訓練給付金には3種類ある
教育訓練給付金は、目的によって3つの種類に分かれています。
- 「一般教育訓練給付金」は再就職や雇用の安定が目的。たとえば、簿記検定やTOEICなどの講座が対象です。
- 「特定一般教育訓練給付金」はより実践的なスキルを学びたい方向け。受講料の支援額もアップします。
- 「専門実践教育訓練給付金」は、保育士や看護師など専門職の資格取得を目指す人向けです。
それぞれの特徴を簡単にまとめてみました。
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給付金の種類 |
対象者 |
支給内容 |
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一般教育訓練給付金 |
初学者、再就職希望者など |
教育訓練経費の20%(上限10万円) |
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特定一般教育訓練給付金 |
実務に役立つ資格を目指す人 |
教育訓練経費の40%(上限20万円) |
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専門実践教育訓練給付金 |
国家資格などを目指す人 |
教育訓練経費の50〜80% |
対象講座は約16,000
教育訓練給付金の対象となる講座は、なんと16,000件以上もあるんです!ジャンルは幅広く、語学、医療・福祉、法律関係、ITスキルなど。気になる方は、まずは「教育訓練給付制度 検索システム」をチェックしてみましょう。
分野や資格名での検索はもちろん、地域、講座費用、託児所の有無など、細かい条件で絞り込むこともできます。

「一般教育訓練給付金」でお得に学ぼう
教育訓練給付金には3種類ありますが、その中でも特に始めやすいのが「一般教育訓練給付金」です。費用の負担が軽く、対象講座も身近なものが多いため、「新しいことを学びたいけど、何から始めようか悩む...」という方にもぴったり。
ここからは一般教育訓練給付金の条件や金額、講座内容について解説していきます。
対象者
一般教育訓練給付金を受給するための条件は、受講を始める時点で、雇用保険に1年以上加入していること(初めて利用する場合)。退職している場合でも、「離職してから1年以内」ならOKです。
「えっ、私って加入期間足りてる?」と不安な方は、勤務履歴を確認してみましょう。給与明細や通帳をチェックするのが手軽ですが、ハローワークで雇用保険の加入状況を調べてもらうこともできます。
支給額
一般教育訓練給付金では、入会金や受講料などにかかった費用の20%が支給されます。たとえば、合計で8万円だった場合は、その20%にあたる1万6,000円が戻ってくる計算になります。※上限は10万円です。
ここで注意しておきたいのが、まずは自分で支払う必要があるということ。講座を修了してから、ハローワークで申請をして、ようやく給付金が振り込まれます。「教育訓練でお金がもらえる」と思ってしまうと、あとで慌てるかもしれません。家計の予定や支出のタイミングもあわせて考えておくと安心です。
主な講座
一般教育訓練給付金の対象になっている講座は、本当にたくさんあります。代表的な講座を紹介しますので、参考にしてみてください。
- IT関係:ITパスポート、情報処理技術者試験、建築CAD検定、CGクリエイター検定
- 語学:TOEIC、TOEFL iBT、通訳案内士試験、日本語教員、中国語検定 運転系:普通自動車第二種免許、大型自動車免許、フォークリフト運転技能講習
- 専門サービス:司法書士、税理士、行政書士、キャリアコンサルティング技能検定
- 福祉・保健:看護師、歯科衛生士、管理栄養士、介護福祉士、あん摩マッサージ指圧師
参照:講座・スクールを探す | 教育訓練制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座
詳しくはハローワークに確認を
一般教育訓練給付金に少しでも興味をもったなら、ハローワークに相談してみましょう。支給要件を満たしているかどうかを、事前に調べてもらうことができます。
その際は、「教育訓練給付金支給要件照会票」という用紙に記入し、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類と一緒に提出します。まずは、厚生労働省のサイトからお近くのハローワークを検索してみてください。

まとめ
「一般教育訓練給付金」は、スキルアップ・キャリアアップを考えている方にとって、ぜひ活用したい制度です。受講費用の20%が支給されるため、家計への負担を抑えながら、資格取得や学び直しに取り組むことができます。
講座のジャンルが幅広く、IT・語学・福祉・法律など、自分の興味やライフスタイルに合わせて選べるのも魅力です。「何か始めたい」と思っているなら、この制度を活用して、未来の自分に投資してみてはいかがでしょうか。
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