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続1000冊の読書 2025.10 「馬を見ず牛を見ず秋深まりぬ」佐藤順子さん

いつの間にか走り過ぎた10月。

こうして書き出してみると、なんともバラエティに富んでいます(笑)

先日図書館で借りた本「草木の話」の秋・冬編。宇都宮貞子著 読売新聞社。

本の巻頭に関東学院大学教授の山田宗睦さんの文章があまりに素敵で、読み返してしまいました。最近お目にかからない文章でした。ご専門は哲学・思想史とありました。

1977年発行ですから、著者も山田先生ももう鬼籍にはいられておいででしょう。

「草木の話」はこれまた楽しいというか、私たちが失ってきたものを丹念に記録してくださっているという本です。

まだ途中なので。

 

10月27日の信濃毎日新聞の「けさの一句」は佐藤順子さんの

「馬を見ず牛を見ず秋深まりぬ」

選者の土肥あき子さんが以下のように書かれています。以下引用です。

「駅」「騒ぐ」「物」「特」など、文字の偏には馬や牛が頻出する。

運搬や農耕において牛馬は無くてはならない存在だったが、いつの間にかその姿はほとんど生活圏にはない。実りの季節である秋には、農作物の収穫に感謝するとともに、働いてくれた牛馬をねぎらう習慣もあった。

人間以上の働きをする強く大きな動物たちが、身辺から消えてしまった事実に、秋の深まりを冷え冷えと実感する。

・・・・・・・・

アマゾンがAIを導入のために多くの人を解雇すると。

あと何年かしたら、牛馬と同じように消えていく職種があるでしょう。

その到来が思いのほか早いのが切ないです。

ホワイトカラーまでに及ぶのですから・・・・・。

 

「草木の話」も、ここ100年前位からのことのような気がします。

みんなが忘れてしまいそうなこと、けど忘れてほしくないことを読みながら改めて思っています。

 

242 ようこそ、我が家へ 池井戸潤  小学館文庫

243 交渉人・爆弾魔 五十嵐貴久  幻冬舎文庫

244 パノラマ座の惨劇 赤城毅 中央公論新社

245 黄昏という名の劇場 太田忠司  講談社

246 盤上の敵  北村薫  講談社

247 蒼穹のシディ 三浦真奈美 中央公論新社

248 いつか、虹の向こうへ 伊東瞬 角川文庫

お読みいただきありがとうございました。
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