リフォームの基礎知識と費用の相場
一戸建てを500万円でフルリフォームできる?費用相場や抑えるコツ・注意点を解説
このコラムのポイント
- 予算500万円では、水回りや内装を優先した部分リフォームが中心
- 築30年以上の一戸建てでは、耐震性・給排水管・シロアリ被害の調査が必要
- 予算の1~2割を予備費に充て、補助金や減税制度も含めて資金計画を立てると良い
一戸建てを500万円でフルリフォームしたいと考えても、「住まいのどこまで手を入れられるの?」と迷う方は少なくありません。
フルリフォームのなかでも、柱や梁などの構造部分だけを残して造り直すスケルトンリフォームを500万円に収めるのは難しいものです。一方、既存の間取りや設備を生かし、優先する場所へ工事を絞れば、予算内で改修できる可能性があります。
この記事では、2026年現在の費用相場をもとに、予算500万円前後のフルリフォームで検討できる施工項目をご紹介します。追加費用が生じる場面や予算内に収めるコツも解説するので、ぜひ最後までお読みください。
予算500万円で一戸建て・マンションのフルリフォームはどこまでできる?
500万円で住まい全体を改修する場合は、内装の張り替えや住宅設備の交換など、構造体に手を加えない工事を組み合わせます。なお、ここでいうフルリフォームは、柱や梁などの構造体に手を加えない表層リフォームを指します。押さえておきたいポイントは次の2つです。
・一戸建ては、内装の張り替えや設備交換、軽微な間取り変更が中心
・スケルトン工事や耐震補強は難しく、築古物件では追加費用にも備える
予算500万円でできる一戸建てフルリフォームの現実的なライン
500万円で一戸建てをフルリフォームする場合、壁紙や床材の張り替え、和室から洋室への変更、古くなった住宅設備の交換などが中心です。柱や梁などの構造体は残し、内装や設備を広い範囲で更新する表層リフォームとして進めます。
実施できる工事は、住宅の広さや劣化状況、設備のグレードによって変わります。現地調査の結果をもとに、安全性や日常生活への影響が大きい箇所から予算を配分します。
戸建てのスケルトンリフォームはあまり現実的ではない
躯体(くたい)とは、基礎・柱・梁など、住宅を支える骨組みのことです。スケルトンリフォームでは、この躯体だけを残して内装や設備を撤去するため、解体費や廃材処分費がかかります。
大がかりな間取り変更や耐震補強、断熱リフォーム、配管更新には、壁や床の広い範囲を解体する工事も必要です。一般に1,000万円以上かかるケースが多く、予算500万円では収まりにくい工事です。
築年数が古い一戸建て(特に築30年以上)をフルリフォームする際の注意点
築30年以上の木造戸建てには、旧耐震基準で建てられた住宅や、2000年の基準強化前に建てられた住宅の一部が含まれます。耐震性は建築時期・構法・劣化状況によって異なるため、必要に応じて耐震診断を行い、安全性に関わる問題が見つかった際は内装・設備の更新よりも耐震補強を優先します。
壁や床を解体したあとに、柱や下地の腐食、配管の劣化、シロアリ被害が判明すると、構造補修や交換工事の追加費用がかかります。500万円を当初の工事だけで使い切らず、予備費を残した資金計画を立てましょう。
【参考】マンションを予算500万円でリフォームする場合
マンションの場合も、500万円の予算では、躯体だけを残して設備や内装、間取りを全面的に作り変えるスケルトンリフォームは難しいといえます。間仕切り壁の撤去など、建物の構造に大きく影響しない部分的な変更は検討できます。
戸建てと同じく、優先順位の高い場所をリフォームすると良いでしょう。特に、キッチンや浴室、洗面所、トイレなどの水回りを優先的にリフォームすることがおすすめです。築年数が経過したマンションであれば、設備の劣化は進んでいることが多く見られます。リフォームで水回り設備を交換することで、より快適に使えるようになります。
【工事箇所別】予算500万円でできる主なリフォーム工事
一戸建てを500万円でリフォームする場合、設備や内外装をすべて一新するのは難しいため、建物の劣化状況と暮らしの悩みを踏まえて工事範囲を絞ります。ここでは、以下を中心に、予算内で検討できる工事をご紹介します。
・水回り4点の設備交換
・LDKの拡張や間取りの一部変更
・壁紙・床材など内装の張り替え
・外壁・屋根の塗装
水回り4点(浴室・キッチン・トイレ・洗面所)のフルリフォーム
500万円の予算があれば、キッチン、浴室、トイレ、洗面所の本体交換と、工事箇所周辺の内装リフォームをまとめて検討できます。4箇所を一度に施工すると、養生や職人の手配を集約でき、個別に依頼する場合より諸経費を抑えられるケースもあります。
ただし、設備の位置変更や給排水管の更新、壁・床内部の補修が加わると、費用は相場を上回ります。設備本体の価格だけで判断せず、配管工事や内装工事まで含めた総額で予算を組みましょう。
LDKの拡張・間取りの一部変更
間仕切り壁の撤去や隣接する和室の洋室化など、建物の構造を大きく変えない範囲でLDKを広げられます。例えば、居間と隣室の間にある壁を取り除いて一続きの空間にしたり、和室を洋室へ変更してLDKに取り込んだりする工事です。
ただし、撤去したい壁が建物を支える耐力壁の場合は、構造補強が必要です。キッチンを移動する工事にも、給排水管や電気配線の変更が加わるため、その分だけ費用が増えます。現地調査で撤去できる壁と設備を移動できる範囲を調べ、予算内で実現できる間取りを施工会社と詰めてください。
内装(壁紙・床材)の全体的な張り替え
内装の張り替えでは、家全体または1階部分を中心に、壁紙や床材をまとめて施工できます。複数の部屋を同時に進めると、材料の発注や職人の手配を集約できるため、部屋ごとに時期を分けて依頼するより費用を抑えられます。
外壁塗装・屋根の塗り替え
外壁や屋根の劣化が塗装で対応できる範囲なら、500万円の予算に外装のメンテナンスを組み込めます。外壁と屋根を同時に施工すると足場を共用でき、別々の時期に依頼する場合に生じる費用の重複も抑えられます。
ひび割れや雨漏りがある住宅では、下地補修や外壁の張り替え、屋根の葺き替えが必要になる場合があります。塗装だけで対応できるかを現地調査で判断してもらい、必要な工事範囲を決めましょう。
ここまで紹介した工事箇所別の費用相場は、以下のとおりです。
| 工事箇所 | リフォーム工事の例 | 2026年時点の費用相場 |
| 水回り4点 | 浴室・キッチン・トイレ・洗面所の本体交換と周辺の内装 | 約200万~1,000万円 |
| LDK拡張・間取り変更 | 間仕切り壁の撤去、LDKの一体化・内装刷新、6~8畳程度の和室から洋室への変更 | 約80万~250万円 |
| 内装全体 | 家全体の壁紙・床材の張り替え | 約100万~250万円 |
| 外装 | 外壁塗装・屋根塗装 | 約110万~740万円 |
実際の金額は、建物の工法や施工面積、設備・内装材・塗料のグレードによって変わります。解体後に下地や配管の劣化が見つかれば、補修費用も必要です。なお、内装全体の相場は、標準的な4LDK・30坪(約100㎡)前後の一戸建てを想定しています。
表に記載した4つの工事の場合、下限額の合計だけでも約490万円です。実際には諸経費や追加補修の費用も加わるため、すべてを500万円以内で行うのは難しいでしょう。
例えば、まずは水回りに250万円を充て、内装に100万円、LDKの一部改修に80万円、予備費として70万円を見込む、といった配分が考えられます。まずは劣化が進んだ箇所を優先し、残りの予算を暮らしの不便を解消する工事に振り分けるのがおすすめです。
一戸建てフルリフォームで解体後に発生する追加費用と対策
一戸建てのフルリフォームでは、解体後にシロアリ被害や木部の腐朽、給排水管の劣化が見つかり、追加費用が発生する場合があります。予算超過を抑えるには、次の点を契約前に確認しましょう。
・見積もりに含まれる補修範囲
・解体後の追加工事に備える予備費
・工事内容と金額を承認する手順
壁や床をめくって初めてわかる2大リスク
シロアリ被害や木部の腐朽は、壁・床を解体したあとに判明する2大リスクの一つです。在来工法の浴室まわりや雨漏りが起きた屋根の下、外壁と土台の接続部などは、水分の影響で木部が傷んでいる場合があります。壁や床の内部、柱などに被害が見つかったときは、内装を仕上げる前に補修します。
もう一つ、給排水管の劣化や漏水も、解体後に明らかになるリスクといえます。古い配管を残したまま内装を仕上げると、完成後に漏水が発生し、床や壁を再び開ける可能性があるためです。
解体時に配管の材質と劣化状態を調べ、傷みが見つかった場合は、交換する範囲や施工方法を施工会社と決めましょう。
予算オーバーを防ぐ「予備費」の確保(対策)
解体後に追加工事が発生しても対応できるよう、総予算の一部は予備費として残しておきましょう。予備費の金額は一律に決めず、建物の築年数や事前調査の結果、施工会社から示された劣化リスクを踏まえて設定します。
例えば、総予算500万円のうち50万円を予備費に充てる場合、当初の工事は残りの450万円程度を上限に組み立てます。予備費まで最初の工事へ使い切らないことで、解体後に補修が必要になった際に予算を調整しやすくなります。
一戸建てのリフォーム費用を予算500万円に抑えるコツ
一戸建てのリフォーム費用を500万円に抑えるには、必要な工事へ優先的に予算を配分し、設備・仕上げの選び方を工夫します。主なポイントは次のとおりです。
・安全性や日常生活に関わる工事から優先する
・使用頻度に合わせて設備・材料のグレードを変える
・同じ工事条件で複数社の見積もりを比べる
・既製品を活用し、間取りやデザインをシンプルにする
・安全性への影響が小さい作業に限ってDIYを取り入れる
優先順位を決め、予算内で工事を行うようにする
リフォームを行う際、やりたいことを詰め込みすぎてしまうと、簡単に予算オーバーしてしまうことがあります。リフォームの範囲を絞り、優先的に施工する箇所を決めることで、予算内での工事も可能になります。例えば、リビングの拡張・改修、トイレの改修、外壁の張り替えなど、工事の場所や内容を限定しましょう。そのためには理想のリフォーム内容についてしっかりとイメージしておくことが大切です。希望する条件をリストアップした上でリフォームプランを考えましょう。ご家族全員で話し合うことで、それぞれが納得のいくリフォームを実現しやすくなります。
材料費を抑える
リフォームに使用する材料や設備のグレードによって、最終的な費用が大きく変わることがあります。見積もり後に予算オーバーになったら、材料費を抑えることを検討してみましょう。こだわりのある部分の設備はハイグレードなものを選び、見えない部分の材料はリーズナブルなものを選ぶといった方法でメリハリを付けることもできます。また、既存の設備や建材など、まだ使えるものがあれば引き続き利用し、必要な部分だけ更新することもおすすめです。
複数の業者から相見積もりを取る
依頼するリフォーム会社によって、工事にかかる費用は変わります。予算内に収められる業者を探すことも重要なポイントです。最初から一つの業者に絞り込むのではなく、複数の業者で見積もりを取ってもらい、料金を比較しましょう。
リフォーム後のデザインをシンプルにする
リフォームで複雑なデザインを叶えようとすると、金額が高くなってしまうことがあります。手間のかかる作業が増えるほど費用がかさむのが一般的です。なるべくシンプルな仕上がりを目指すことで、リフォーム費用を抑えやすくなります。
※ライター様:以下の小見出しは、既存の本文のままで差し支えございませんが、プロへ一括依頼するメリットと矛盾しないようにしてください。「基本の工事はプロに任せ、部分的な壁の塗装や棚の取り付けなど、引き渡し後に自分でできる範囲に絞る」といった注意点を補足してください。
自分でできるリフォームはDIYで行う
壁の一部の塗装や棚の取り付けなどを自分で行えば、その作業にかかる材料費や施工費を抑えられます。ただし、施工会社の工事と同時にDIYを進めると、仕上がりに問題が生じた際の責任範囲が曖昧になりかねません。
電気・ガス・給排水、構造、防水に関わる基本工事は、資格・専門知識を持つプロへ一括して依頼します。DIYは引き渡し後に行える軽作業へ絞り、見積もりの段階で自分が担当する範囲を施工会社へ伝えておきましょう。
【2026年最新】国や自治体の補助金・助成金・減税制度を活用する
ここでは2026年8月時点で利用可能な補助金・助成金・減税制度について紹介します。対象住宅・工事・製品などの条件は制度ごとに異なるため、詳細は各制度の公式サイトでご確認ください。
住宅省エネ2026キャンペーン
住宅省エネ2026キャンペーンは、国土交通省、経済産業省及び環境省の3省が、それぞれ取り組む住宅の省エネリフォーム等を支援する補助制度です。
主に以下の3つが挙げられます。なお、2026年の補助金についての詳細は、以下をご参照ください。
https://www.lixil.co.jp/shoenehojokin/2026
・みらいエコ住宅2026事業
省エネ性能を高めるリフォームを支援する制度です。補助を受けるには、外皮に面する開口部がある居室で、制度所定の組み合わせによる「要件化工事」を行う必要があります。
・先進的窓リノベ2026事業
既存住宅の窓やガラスを一定の断熱性能を満たす製品へ改修する工事を支援する制度です。補助額は、窓の大きさや性能、工法などによって決まります。
・給湯省エネ2026事業
給湯省エネ2026事業は、一定の性能を満たす高効率給湯器の導入を支援する制度です。機器の種類や性能によって補助額が異なり、既存設備の撤去内容によって加算を受けられる場合があります。
自治体独自のリフォーム助成金
自治体によっては、耐震化やバリアフリー化、環境に配慮したリフォームなどを支援する独自制度があります。補助額や受付期間、施工業者に関する条件は、都道府県や市区町村ごとに異なります。以下のサイトで検索可能です。
【参考】一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」
リフォーム促進税制、住宅ローン減税
省エネやバリアフリー、耐震など、一定の要件を満たすリフォームでは、所得税の控除や固定資産税の減額を受けられることがあります。適用を受けるには、工事内容や費用、住宅などの条件を満たし、必要書類をそろえなければなりません。
また、10年以上のローンを組んで一定のリフォームを行った場合、住宅ローン減税として所得税、住民税について最大で140万円の減税を受けられる可能性があります。
※条件によって、控除額は異なります。
【参考】国土交通省「減税と補助金でもっとお得に!リフォーム支援制度まるわかりガイド」
予算500万円の一戸建てリフォームに関するよくある質問
500万円規模のリフォームの場合、住みながら工事を行うことは可能?
部分リフォームや表層リフォームであれば、工事範囲を分け、住みながら進められる場合があります。ただし、浴室・キッチン・トイレ・洗面所などが数日から1週間程度使えない可能性があるため、外食や銭湯、短期の仮住まいにかかる費用も見込んでおきましょう。
築30年の一戸建ての場合、500万円でどこまで直せる?
築30年の一戸建てを500万円でリフォームするなら、水回り設備や内装の更新など、既存部分を生かした表層リフォームが中心です。構造部分の腐食やシロアリ被害、配管の劣化が見つかると補修費が必要になるため、建物調査の結果をもとに安全性に関わる工事から優先します。
500万円のリフォームでローンを組むことはできる?
500万円規模の工事でも、金融機関が提供するリフォームローンを利用できます。省エネ改修を行う場合は、みらいエコ住宅2026事業、先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業の対象になる可能性もあるため、ローンとあわせて活用を検討しましょう。
一戸建て フル リフォーム 500万の予算は工事範囲を決めて相談しましょう
予算500万円で一戸建てをリフォームする場合は、既存の構造を生かし、水回り・内装・外装のうち優先度の高い箇所へ予算を配分します。
築年数が古い住宅では、解体後に下地や配管の劣化が見つかり、補修費用が加わる可能性があります。予算を使い切らず、追加工事に備える予備費も残しておきましょう。
まずは現地調査を受け、複数のリフォーム会社へ同じ工事内容で見積もりを依頼してください。金額と工事範囲、追加費用の条件を比べると、500万円以内で実現できる内容かどうかが分かります。
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