日本のセラミックスに関する産業や研究レベルはおそらく世界屈指と言えます。
そして、LIXIL（INAX）とTOTOの共通点といえば、
トイレやタイル等の陶器製の商品を扱っている共通する点があります。
この２大ブランドの関係について興味深い歴史について紹介いたします。
実は、これらの企業を創立したり、それらを育てたりしているという共通の人物がいる
真実をご存知でしょうか？
TOTO株式会社は、森村グループ(現在世界最大のセラミックス企業グループ）で
衛生機器を取り扱うため東洋陶器株式会社として1917年に創業。
初代社長は大倉和親。
一方でINAXは、伊奈製陶株式会社として1924年に森村グループのタイルメーカーとして設立。
初代社長は伊奈長三郎。
伊奈製陶の設立の際には、TOTO初代社長の大倉和親がかかわっています。
常滑の産地である愛知県知多郡常滑町で代々陶業を営んでいた伊奈家の五代目、伊奈初之丞が、
1887年（明治20年）から土管・陶管、タイル等の建設用陶器を製造開始。
1921年（大正10年）、伊奈初之丞が匿名組合伊奈製陶所を創業した際に大倉和親が
資本の約半分を出資し、残り半分を伊奈長三郎（伊奈初之丞の息子）含む伊奈家が出資しています。
1924年（大正13年）2月に伊奈初之丞の長男である伊奈長三郎が森村グループのタイルメーカーとして
伊奈製陶株式会社（後のINAX、現LIXIL）を設立
（大倉和親は第二次大戦後に完全に会社の運営から離れています。）
1945年に衛生陶器の製造を開始し、東洋陶器株式会社（後のTOTO）と同じ森村グループ内で
トイレ等の陶器を製造販売するようになりました。
こうして、両社は互いに競争し衛生陶器の発展に貢献して参りました。
両社は、今日まで切磋琢磨を続け世界に誇る高品質の水洗トイレを生み出しています。
大倉親子そして森村グループが、この2大メーカーにこのような共通点をもたらしていて
非常に面白く感じます。
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