冬の寒い夜、最後にお風呂へ入る時のあのヒヤッとした感覚は、本当に辛いものですよね。家族が順番にお風呂に入るご家庭なら、なおさら「お湯が冷めないお風呂」への憧れは強いはずです。そこで注目されるのが、LIXILの魔法瓶浴槽として有名な「サーモバスS」です。
リフォームを検討中の方なら一度はその名前を聞いたことがあるかもしれません。でも、実は「高いお金を払ってサーモバスSにしたのに、思ったよりお湯が冷める気がする...」という声が後を絶たないのも事実です。せっかくのリフォームでそんな後悔はしたくないですよね。
なぜ、高性能な浴槽なのに冷めてしまうことがあるのでしょうか。そこにはカタログの数字だけでは見えてこない、住宅環境や施工の落とし穴が隠されています。この記事では、専門的な知識がない方でも分かりやすく、サーモバスSの真価を引き出すための秘訣をたっぷりお届けします。まずは、より詳しい解説が載っているこちらのページもぜひ併せて確認してみてくださいね。
カタログの「4時間で2.5度以内」という数字の裏側
カタログを見ると「4時間経っても温度低下はわずか2.5度以内」と書かれています。これを見ると、どんな家でも4時間は余裕でお湯が温かいんだ!と思ってしまいがちですが、ここに最初の落とし穴があります。
この数字は「JIS規格」という業界の共通ルールに基づいた、非常に理想的な環境での測定結果なんです。具体的には、室温が10度くらいで安定していて、しかも風が全くない無風状態、さらには換気扇も止めた状態でテストされています。
でも、実際の冬の浴室はどうでしょうか。窓からは冷たい隙間風が入ってきたり、換気扇を回していたり、そもそも室温が5度以下なんてことも珍しくありませんよね。つまり、カタログの数値は「製品としてのポテンシャル」を示すものであって、すべての家庭での性能を保証する魔法の数字ではないということを知っておく必要があります。
浴槽だけじゃダメ!お風呂は「箱」で考えよう
サーモバスSは、浴槽の周りを断熱材で包み込む素晴らしい製品です。例えるなら、お湯を魔法瓶に入れているような状態です。でも、もしその魔法瓶のフタが空いていたり、周りが氷漬けになっていたりしたらどうでしょうか。いくら魔法瓶でも、中身は冷めてしまいますよね。
実はお風呂も同じなんです。浴槽そのものが温かくても、浴室全体という「箱」の断熱がボロボロだと、お湯の熱はどんどん奪われてしまいます。
特に注意したいのが、窓からの冷気です。冷たい空気は重いため、窓辺で冷やされた空気が滝のように浴槽の湯面へと降り注いできます。これを「コールドドラフト現象」と呼びますが、この冷気が上からお湯を冷やしてしまうんです。せっかく浴槽の横や底を断熱材で固めても、上から冷やされては元も子もありません。
さらに換気扇も重要です。お風呂の湿気を逃がすために換気扇を強で回し続けると、浴室内の暖かい空気が外に追い出され、代わりに外の冷たい空気が入り込んできます。この空気の流れが、お湯の表面から熱を奪っていくんです。
魔法の重要アイテム「浴槽パン」を忘れていませんか
リフォームの見積書を見るときに、ぜひ探してほしい言葉があります。それが「浴槽パン(浴槽パン)」です。
「パン」と聞くと洗濯機の下にあるトレイを思い浮かべるかもしれませんが、お風呂の浴槽パンは全く別の役割を持っています。これは、浴槽の下側に設置する「断熱機能付きの受け皿」のようなものです。
戸建て住宅の場合、お風呂の床下は外と同じくらい冷え込んでいます。もしこの浴槽パンがないと、浴槽の底は常に冷たい床下の空気にさらされることになります。せっかくサーモバスSを選んでも、このパンが入っていないと、底からじわじわとお湯の熱が逃げてしまうんです。
リクシルのシリーズによっては、この浴槽パンが標準装備ではなく「オプション」になっていることもあります。「浴槽が断熱だから大丈夫」と安心せず、必ず「浴槽パン」や「床下の断熱」が見積もりに入っているかチェックすることが、後悔しないための最大のポイントです。
専用のフタが保温効果の鍵を握る
意外と見落としがちなのが「お風呂のフタ」です。サーモバスSには、断熱材がしっかり入った専用の「組フタ」があります。
「重たいフタは嫌だから、今まで使っていた軽いシャッター式の巻きフタを使おうかな」と考えるのは禁物です。巻きフタは断熱材が入っていないため、お湯の熱を上からどんどん逃がしてしまいます。
サーモバスSの保温性能は、この専用の組フタをピタッと閉めることで初めて発揮されます。少しの隙間があるだけでも熱は逃げていくので、家族で最後に入る人まで温かさを保つには、この専用フタを正しく使う習慣も大切なんです。
追い焚きが減れば家計もニッコリ
お湯が冷めにくいということは、それだけ「追い焚き」の回数が減るということです。これは単に楽ができるだけでなく、光熱費にも大きく関わってきます。
お湯を一度冷ましてから温め直すには、膨大なエネルギーが必要です。例えば、ぬるくなった35度のお湯を40度まで戻すのと、サーモバスSのおかげで38度を保てていたものを40度に戻すのでは、ガス代や電気代に目に見える差が出てきます。
高性能な浴槽と、浴室全体の断熱をしっかり組み合わせることは、将来的な光熱費の節約という「投資」にもなるんです。
リフォーム前に必ず業者さんに相談したいこと
さて、ここまで読んで「自分の家のリフォーム、本当に大丈夫かな?」と不安になった方もいるかもしれません。でも大丈夫です。契約前に施工業者さんに次の3つの質問をするだけで、失敗のリスクは劇的に下がります。
1つ目は、「浴槽パンは見積もりに入っていますか?」という質問。 2つ目は、「浴室全体の断熱パネルや窓の断熱対策はどうなっていますか?」という質問。 3つ目は、「我が家の入浴スタイルに最適な断熱プランは何ですか?」という質問です。
家族が何人いて、最初の人から最後の人まで何時間空くのかを具体的に伝えることで、プロの視点から本当に必要なオプションを提案してもらえるようになります。
納得のリフォームで最高のバスタイムを
リフォームは一生に何度もできるものではありません。だからこそ、表面的なデザインや色だけでなく、「見えない熱の逃げ道をどう塞ぐか」という部分にこだわってほしいのです。
LIXILのサーモバスSは、正しく導入すればこれ以上ないほど快適な入浴時間を提供してくれます。そのためには、製品のスペックを過信せず、住まい全体の中でどう活かすかを考えることが大切です。
この記事でご紹介したポイントを振り返りながら、理想のお風呂作りを始めてみてくださいね。もっと具体的に「どこを確認すればいいのか」「どんな手順で相談すればいいのか」を知りたい方は、こちらのまとめ記事が非常に役立ちます。ぜひ保存して、打ち合わせの際の参考にしてくださいね。
しっかりとした知識を持ってリフォームに臨めば、冬の夜でも家族全員が「あ〜、温かい!」と笑顔になれる最高のお風呂が手に入ります。あなたのリフォームが成功し、心も体も温まる毎日が訪れることを応援しています!
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