
「侵入窃盗の発生場所別認知件数」の最多は戸建て住宅
警察庁が発表したデータによると、侵入窃盗の発生場所認知件数は戸建て住宅が最多となっています。共同住宅(3階建て以下)の8.7%、共同住宅(4階建て以上)の4.3%と合わせると、侵入窃盗の約半数は一般住宅が被害に合っていることが分かります。
戸建て住宅が特に狙われやすい理由としては、次のようなものが挙げられます。
- 低階層である
- ドアや窓が多い
- 死角が多い
- 防犯対策をしていない場合がある
集合住宅と比べて侵入経路や身を隠せる場所が多い戸建て住宅は、侵入者にとって都合の良い環境です。さらに「不在の時間が多い」「人通りが少ない道路に面している」などの条件が重なると、侵入窃盗のターゲットとして狙われる確率は高くなります。
最近は"短時間で侵入できる家"が狙われる
侵入者は、人目につきにくく、短時間で侵入できる住宅を狙う傾向があります。近年は、
- ガラス破り
- 無施錠の窓
- 勝手口
- 在宅時間をSNSなどから把握
など、手口も多様化しています。また、「下見」を行うケースもあるため、郵便物がたまっている、夜でも真っ暗、庭木が伸び放題など、防犯意識が低そうな住宅は狙われやすくなるといわれています。
戸建て住宅への侵入窃盗の経路別認知件数を見てみると、圧倒的に多いのは「窓」で、ガラス破りや鍵の閉め忘れによる侵入が多く見られます。次に多いのが「表出入り口」。こちらは無締まりによる侵入が最多となっています。

侵入経路1位:窓の防犯対策
最も侵入経路になりやすい窓。ガラス破りによる侵入を防ぐには、窓ガラスを強化して割れにくくする方法が有効です。ある調査によると「侵入に5分以上かかると7割近くの侵入者は諦める」という結果も出ています。
窓の防犯対策としては、次のようなものがあります。
防犯ガラス・防犯フィルム
防犯ガラスと防犯フィルムは、どちらも窓ガラスを強化することが目的です。防犯効果に大きな違いはなく、耐久性では防犯ガラス、コストや施工性では防犯フィルムの方が優れています。
中でも、CPマーク付き防犯ガラスがおすすめ。CPマークは「防犯性能の高い建物部品」として認定されています。
防犯アラーム
窓の開閉や振動を検知して警報を鳴らす防犯アラームも有効な対策です。大きな音を出して侵入者を威嚇するだけでなく、周囲に異常を知らせる効果も期待できます。
音の大きさは最低80dB以上、できれば防犯効果の高い100dB程度のものが理想的です。また最近はリモコン付きやスマホ連携など機能が充実しているタイプも多く出ています。
補助錠
クレセント錠や防犯フィルムよりも高い防犯効果が期待できるのが、補助錠です。補助錠とはメインの鍵とは別に取り付ける鍵のことで、もしガラスが割られても簡単に窓が開かず侵入に時間がかかるため、侵入者が諦める可能性が高くなります。
サッシ枠に取り付けるものや、両面テープで貼り付けるものなどがあり、1,000円〜3,000円前後で販売されています。設置が簡単なところも補助錠の魅力のひとつ。最近はダイヤル式や鍵不要タイプも人気です。

侵入経路2位:表出入り口の防犯対策
続いて、同じく侵入経路になりやすい表出入り口の防犯対策を紹介します。
補助錠
窓と同様に、表出入り口への補助錠設置も高い防犯効果が期待できます。種類には大きく外付けタイプ・内付けタイプ・面付けタイプがあり、それぞれ特徴やメリットは異なりますが、防犯対策していることを見た目からもアピールできる外付けタイプや面付けタイプがおすすめです。
ガードプレート
ガードプレートとは、ドアとドア枠の間の隙間を塞ぐ金属製のプレートで、表出入り口のこじ開け対策に有効です。業者に設置を依頼する場合は1万円前後の費用がかかります。
ディンプルキー
鍵の表面に複数のくぼみがあるディンプルキーは、鍵の構造が複雑なためピッキングや破壊への耐久性が高い鍵です。鍵の複製が困難であることも防犯面のメリットのひとつです。

その他やっておきたい防犯対策
上で紹介したもの以外にも、さまざまな防犯対策があります。
スマート防犯機器を活用する
最近増えているのが、スマートフォンと連携できる防犯機器です。例えば、スマートドアホン、ネットワークカメラ、開閉センサー、スマートロックなど。外出先でも来訪者確認、通知、録画、施錠確認ができるため人気が高まっています。
宅配業者を装う手口にも注意
最近は宅配便を装った侵入もあります。インターホン越しに確認し、不用意にドアを開けないことも大切です。宅配ボックスを設置しておくと、非対面で受け取れるので安心ですよ。
防犯砂利を敷く
防犯砂利とは、踏むと大きな音が出るように作られた砂利です。侵入経路として使われそうな場所に敷いておくと不審者の侵入を防いでくれます。
地面に直接敷くと土や草がクッションとなり音が出にくくなるため、可能であれば防草シートを敷いた後で、3〜5cmの厚さを目安に防犯砂利を敷きます。人通りの多い場所に敷くとご近所トラブルに発展する可能性もあるので注意してください。
センサー付きライトを設置する
人の動きを感知すると自動的にライトが点灯するセンサー付きライト。敷地内の死角や侵入しやすい場所に設置すると効果的です。録画機能があるカメラ付きタイプを選ぶと、侵入者に監視をアピールすると同時に、侵入などの被害を受けたときに映像を証拠として残しておくことができます。
今は、ソーラー式、コンセント不要、スマホ連携、録画付きの物が人気です。
見通しの良いフェンスや柵を設置する
防犯性を高めるためには、外から敷地内の様子がまったく見えない環境をつくらないことも大切です。
フェンスは、完全に視線を遮る高い塀よりも、目隠し効果と見通しのバランスが取れたスリットタイプや格子タイプを選ぶと、不審者が身を隠しにくくなります。一般的な目安として、道路に面したフェンスは約1.2~1.8m程度の高さが採用されることが多く、適度に見通しを確保できるデザインのほうが防犯性を高めやすいとされています。
また、植栽は定期的に剪定し、窓まわりや玄関付近に死角をつくらないよう管理しましょう。
足場を作らない
侵入経路を増やすことになるため、物置やエアコンの室外機など、窓付近に2階への足場になるものを置いてはいけません。外壁塗装工事で足場を設置している場合も要注意で、施錠やセンサー設置などの防犯対策をしっかり行うことが大切です。
郵便物や新聞を溜めない
郵便物や新聞が溜まっていると、不在と判断されて侵入者に狙われやすくなります。数日〜長期間不在にする場合、事前に新聞を休止したり、郵便物の転送手続きを済ませておくのがおすすめです。

防犯性能を高めるリフォーム
防犯性の高い窓へ
侵入窃盗の多くは窓から侵入するといわれています。防犯対策として、防犯ガラスや内窓(インナーサッシ)へのリフォームを検討するのもおすすめです。
防犯ガラスは、2枚のガラスの間に特殊な中間膜を挟んだ構造で、ガラス破りに強く、侵入に時間がかかるため防犯効果が期待できます。また、内窓を設置すると窓が二重になり、防犯性に加えて断熱性や遮音性の向上にもつながります。
シャッターを後付けする
1階の掃き出し窓や人目につきにくい窓は、侵入経路として狙われやすい場所です。窓シャッターを後付けすると、ガラス破りによる侵入を抑止できるほか、台風時の飛来物対策や断熱・遮熱効果も期待できます。最近、大変人気の高いリフォームです。
スマートドアホンを設置する
近年、防犯対策として人気が高まっているのがスマートドアホンです。従来のインターホンと異なり、スマートフォンと連携できるタイプなら、外出中でも来訪者の映像や音声を確認でき、動きを検知するとスマートフォンへ通知してくれるものもあります。また、多くの機種には録画・録音機能が搭載されており、訪問者に「見られている」という意識を与えるため、防犯効果も期待できます。

まとめ
最後は防犯対策は、一つだけでは十分とは言えません。 「侵入しにくい」 「侵入しても時間がかかる」 「侵入しても見つかりやすい」 この3つを意識して、複数の対策を組み合わせることが大切です。
また、防犯設備は一度設置して終わりではなく、定期的な点検やメンテナンスも欠かせません。ご自宅の防犯対策を見直し、家族が安心して暮らせる住まいづくりを進めましょう。
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