近年、空き巣などの犯罪が増加し、自宅の防犯意識が高まっています。防犯カメラやセンサーライトなど、手軽に設置できる防犯グッズも増えてきましたが、住まいそのものの構造や設備を見直すことで、より効果的な防犯対策が可能になります。
特に「窓」からの侵入を防ぐことは重要です。警視庁のデータによると、空き巣が侵入する際に最も狙うのは窓で、その割合は60%以上に上るといわれています。実際には未遂に終わるケースも含めると、さらに多くの窓が標的となっている可能性があります。
今回は、窓の防犯リフォームを中心に、玄関や外構を含めた「リフォームによる防犯対策」について解説します。安心できる住まいを実現し、資産価値を高めるためにも、防犯リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

玄関周りの防犯強化
玄関は家の顔であり、外部から最も目につく場所です。そのため、しっかりとした防犯対策を施すことで、不審者を寄せ付けない環境をつくることができます。
ドアの材質や構造を見直すことも重要です。古くなった玄関ドアや強度の低いドアは、防犯性が低い可能性があります。金属製や複合素材を使用した耐久性の高いドアに交換することで、侵入を防ぎやすくなります。
また、ロックシステムを強化することも効果的です。ピッキング対策として、ディンプルキーやツーロック(鍵穴を2つ設けるタイプ)を採用するのがおすすめです。さらに、補助錠を追加することで、より安全性が向上します。
センサーライトやモニター付きインターホンの活用も、防犯効果を高めるポイントです。玄関周りを明るく保つことで、不審者の侵入を防ぐことができます。人感センサー付きの照明を設置すると、夜間でも周囲が明るくなり、防犯効果が高まります。また、モニター付きインターホンを導入すれば、訪問者の顔を確認してから対応できるため、安心です。
【施工例】
富士市宮下の玄関リフォーム「1日で施工完了。工事中の心配事が解決」
富士市今泉の玄関ドアリフォーム「アルミドアの白い点々が気になる」
侵入対策の要となる「窓」の防犯強化
空き巣の多くが窓を狙って侵入します。その理由として、窓の施錠が甘いことや、ガラスを破ることで簡単に鍵を外せる点が挙げられます。特に一戸建て住宅では、「ガラス破り」による侵入が6割以上を占めているといわれています。
犯罪者は、侵入に5分以上かかると諦める傾向があるとされています。ところが、一般的な窓ガラスは10秒程度で割れてしまうため、防犯性を高めるには「侵入に時間がかかる窓」にすることが重要です。
防犯性を高める窓リフォームには、以下の方法があります。
防犯ガラスへの交換では、防犯合わせガラスや防犯合わせ複層ガラスを使用すると、割れにくい構造になるため、侵入のハードルが上がります。
面格子の設置も有効な方法です。窓の外側に金属製の格子を取り付けることで、侵入を困難にします。特に浴室やトイレの小窓など、裏手にある窓にも設置すると効果的です。
シャッターや雨戸の後付けも防犯対策として取り入れやすい方法です。窓にシャッターを取り付けることで、泥棒の侵入を防ぎます。特に、ルーバー付きシャッターなら通気性を確保しつつ、しっかりと防犯対策ができます。
破れない・切れない網戸を活用するのも効果的です。ステンレスワイヤー製の網戸を使用すると、ナイフやハンマーでも破るのが困難になります。夏場に窓を開けて寝たいときにも、防犯対策として有効です。
内窓の設置(2重サッシ化)もおすすめです。既存の窓の内側にもう1枚窓を設けることで、二重構造にし、防犯性を向上させます。加えて、断熱や防音性能も向上し、光熱費削減にも貢献します。また、省エネリフォームとして補助金の対象となることも多く、コストを抑えて導入できる可能性があります。
【施工例】
外構デザインと植栽の見直し
家の周囲の環境も、防犯性に影響を与えます。
フェンスや塀の高さを調整することで、防犯効果を高めることができます。塀やフェンスが高すぎると、外からの視線が遮られ、泥棒が発見されにくくなります。適度な高さにすることで「見せる防犯」が実現できます。
庭木や植栽の管理も重要なポイントです。植栽が生い茂ると、不審者が身を隠しやすくなります。定期的な剪定を行い、センサーライトを設置することで、暗がりを減らし、侵入リスクを低減できます。
まとめ
空き巣の主な侵入経路である「窓」に対する防犯対策は、住宅の安全性を大幅に向上させます。防犯ガラスの導入、面格子の設置、シャッターの後付け、破れない網戸の活用、内窓の設置などを組み合わせることで、より安心できる住まいを実現できます。
さらに、玄関の防犯強化や外構・植栽の整備も含めることで、侵入を未然に防ぐ住環境を作ることができます。犯罪者は時間がかかると判断した時点で諦めるため、「簡単に入らせない家」にすることが最も効果的な防犯対策なのです。
リフォームにはコストや時間がかかるものの、防犯性の向上は家族の安心・安全に直結します。加えて、断熱や防音といったメリットも得られる場合が多いため、防犯リフォームを検討する際には、ぜひご相談ください。
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