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婦系図湯島の白梅から妄想の世界へ~・会長ブログ・~

こんにちは! 本多建設の本多和彦です。

二月の中旬、今年初めて東京に行ってきました。その週は全国的に天気が良くて、三月中旬から下旬並みの暖かさで、春の東京を満喫してきました。目的は二か月に一度の割合で、同じ境遇にいる同級生の暇人と一緒に寄席に行って、浅草界隈で一杯飲んで日帰り旅行をすることでした。

その日、春爛漫の天気でしたので、なんかの旅行記事に「湯島天神梅まつり」が盛んだと書いてあったのを見て、私は一度も湯島天神には行ったことがなかったので出かけてみました。新幹線で東京から御徒町で降りて、歩いて10分もすると湯島天神に着きました。上野から歩いても15分足らずと近いことに驚きました。知っていればもっと早くに訪れたい場所だったのにと、一瞬悔やまれましたが。

湯島天神(湯島天満宮)とは、泉鏡花の名作「婦系図」を原作とした映画が有名で「婦系図湯島の白梅」というタイトルで何度も映画化され、舞台では新派の十八番となって、今でも上演されている男女の悲恋物語です。

主人公の学者の卵である早瀬主税(ちから)と芸者のお蔦(つた)が所帯を持つことの許しを得るために、恩義ある主税の恩師に報告するも断られ、なかなか踏ん切りがつかない主税に、恩師である先生が業を煮やして「俺をとるのか、芸者をとるのか、二つに一つだ!」と詰め寄られ、別れることとなり、別れ話を切り出すところが、この湯島境内で梅が満開の時期でもあり、そこであの有名なお蔦のセリフが出てくるのです。

「切れろ別れろは芸者の時にいう言葉、一緒に暮らしている今の私にどうして死ねとおっしゃらないのですか!」

今の時代にはピンとこないセリフでしょうが、当時の価値観というものは「義理と愛情を秤にかけりゃ、義理が重たい世界」だったのでしょうね。

スマホで検索したところ、最初の映画は1956年(昭和31年)鶴田浩二と山本富士子が主人公でした。私が実際に見たのは1962年(昭和37年)制作で、主人公は市川雷蔵、万里昌代でした。その映画の記憶があるということは、その当時で私は14歳でしたので中学生だったんですね。ませたガキでもありました。

そんな思いが湯島天神様にあったので、ことさら興味がありずいぶん昔の映画のことを思い出し、境内の梅を観ながら散策しました。梅はあいにくまだ早くて2分か3分咲きでしたが、茶店で甘酒を飲みながら男と女の悲恋物語に我が身を置き換えながら妄想をたくましくしようとしたら、我が相棒は、泉鏡花はもとより「婦系図湯島の白梅」など聞いたこともなく、説明するにはこちらが虚しくなりそうで、そう長くは滞在せずに、若干の未練を残しながら次の場所に移動となったわけです。

昼飯は浅草の仲見世に入りすぐ左の細道に蕎麦屋があったので、天ぷらそばを食べて、浅草演芸ホールで寄席を楽しんできました。場内は珍しく混んでいて、7割から8割は埋まっていました。

その日は特別興行があり、「NHK落語コンクール歴代優勝者大集会」という触れ込みのせいもあって混んでいたのかもしれません。演者には、結構名のある噺家が出てました。春風亭小朝、柳家喬太郎、春風亭一之輔、柳家小満ん、漫才では山形県出身のロケット団などで、たっぷり寄席を満喫してきました。

昼の部の寄席の終わりは午後4時半と決まっています。夕食はあらかじめ調べておいた、創業100年という老舗のおでん屋「丸太ごうし」というところで浅草寺の本堂から北東の方角に歩いて5分もせずに大通りに面してありました。口開けのせいかお客はまばらで、二人してカウンターに座り、ひょいと前を見上げるとメニュー板に懐かしい「剣菱」と書かれてあったので、熱燗頼んで、年季の入ったおでんを食べてきました。もちろん酒もおでんも格別においしくて、江戸の雰囲気を味わってきました。

夕方6時半を過ぎたころ、一人の和服を着た女性が入ってきて、年の頃なら四十前後の美人。入り口の端のカウンターに座り、「おじさん、冷やで一本頂戴!」なんて常連なんでしょうね。これからご出勤なのか、気合を入れるためのまず一杯なのか、それとも待ち合わせなのか、見るからに粋筋の人に違いなく、我が妄想留まることなく、もう少しで「ねえさん、これからご出勤かい、景気づけに俺から一本おごらせてもらっていいかい!」なんて言い出しそうで、現実と妄想の狭間の区別がつかなくなりそうなので、早々にお勘定をしてもらい、一路新幹線に乗って米沢に向かいました。途中電車の中では、あの後の夢の続きを見ながらぐっすりと米沢まで熟睡し、電車を降りて自宅へ帰る車の中でも、あれは夢だったのか現実だったのか分からなくなりました。

2024.3.6

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