| 新年明けましておめでとうございます。 |
| 今年もよろしくお願いします。 |
| 平成26年11月、日本の偉大な俳優・高倉 健が亡くなりました。 |
| 先月から今月にかけて、テレビにはいくつかの番組で彼の映画 |
| が放映されています。この機会に健さんの映画を観た人も大勢 |
| いるでしょう。私たちの世代で、高倉 健を知らない人はいない |
| はずです。また、世代を超えて人気があり、国民的スターだった |
| 人です。 |
| その健さんが名エッセイストだと知っている人は殆どいない |
| はずです。亡くなってからネットで見てみると、私の調べた |
| 範囲では3冊の本を出しています。 |
| 「あなたに褒められたくて」第13回日本文芸大賞エッセイ賞受賞 |
| 「南極のペンギン」 |
| 「旅の途中で」 |
| いつものように全て購入しました。 |
| 「南極のペンギン」を読み終わり、こんなすばらしく繊細な感性を |
| 持っている高倉 健という役者を改めて好きになりました。 |
| この本は絵本です。唐仁原教久(とうじんばら・のりひさ)という |
| イラストレーターが健さんのエッセイに絵を描いて美事に文章と |
| 絵がマッチングしてあります。 |
| 仕事で国内外を旅をしているとき、人との温かいふれ合い |
| をていねいに、気取りもなく、わかりやすく書いてあります。 |
| 是非とも紹介したくなりました。 |
| 10話の構成になっています。 |
| 「アフリカの少年」 |
| 時として厳しい自然の中で生きなければならない少年と出会い、 |
| 砂嵐を避けるために手を貸そうとしたが、一時的な救済は |
| 本人のためにならないとわかり、「旅人のぼくは、なおさら君を |
| 助けられない。ずっと君のそばにいるわけにはいかないからだ。 |
| ”悪いな!だから、夢をみてくれ”ぼくは名前も知らない少年に、 |
| 心の中で話しかけていた。」 |
| 「南極のペンギン」 |
| 映画の撮影で南極へ行き、ブリザードにあい、あわや遭難しか |
| け、まるで「八甲田山」のシーンと同じ体験をした話。何十万匹の |
| ペンギンの群れを見て、「いいかげんなやつ。こだわるやつ。 |
| ケンカっぱやいやつ、ひょうきんなやつ・・・。人間とそっくりだ。 |
| ”命ってにてるのかなー。ふしぎだなー。”ぼくは感心しながら |
| あきずにペンギンを見ていた。」 |
| 「ふるさとのおかあさん」 |
| 「おかあさんが死んだとき、ぼくは”あ、うん”という映画の最中 |
| だった。葬儀に間に合わず、一週間もおくれて、ふるさとに帰っ |
| た。おがんでいるうちに、おかあさんの骨が見たくなった。仏壇 |
| の骨壺をあけ、おかあさんの骨を見ていた。きゅうに、むしょうに、 |
| おかあさんと別れたくなくなって、骨をバリバリかじってしまった。 |
| ・・・人生には深い悲しみもある。そんな愛するひととも、いつか |
| かならず別れなければならないことだ。でも、おかあさんは |
| ぼくのなかで、生きつづけている。」 |
| 他に7編の大人の童話があります。 |
| へえー。高倉 健ってこんな一面もあるのか、と驚かれるかも |
| しれません。でもこの一面を知ることで。彼の寡黙さの重みが |
| 理解出来るような気がします。 |
| 是非一読を!! |
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2015.01.05
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