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「中古住宅」の価値を高める住まいのお手入れ │ 社長コラム

川柳から考える、日本の「家」に対する価値観

「売り家と唐様(からよう)で書く三代目」という有名な川柳があります。放蕩(ほうとう)の末に家を手放すことになった跡取り息子が、見栄を張って小洒落た書体で「売り家」の張り紙を書いている姿を皮肉った句です。かつての日本では、先祖代々の自宅を簡単に売却するものではない、という風潮が根強くありました。

 

数字で見る、日米の流通量の違い

その対極にあるのがアメリカの住宅事情です。2024年の統計によると、新築の136万戸に対して中古住宅の流通量は406万戸と、実におよそ3倍に達しています。対する日本は、新築79万戸に対して中古の流通は16万戸(約20%)にとどまり、実に対照的な数字となっています。開拓時代に幌馬車で移動していた歴史を持つ国だけに、住み替えに対する心理的な壁が低いのかもしれません。

 

「価値を高めて売る」アメリカと、「住み潰す」日本

米国においてこれほど中古市場が活発なのは、「自宅をきれいに手入れして、少しでも高く売りたい」という明確な動機があるからです。適切にメンテナンスされた住まいは、新築同様の価格で取引されることも珍しくありません。一方、これまでの日本では「どうせ中古物件なんてタダ同然になる」という諦めがあり、手入れをされないまま「住み潰されてしまう」ケースが多々見られました。

 

日本でも高まる、中古+リノベーションへの注目

しかしここ最近、日本でも趣味と実益を両立できる選択肢として、中古住宅の存在が見直され始めています。その背景には、

①新築価格の高騰により「中古購入+リノベーション」のほうが費用を抑えられること
②建物自体の品質が向上していること
③昭和レトロに代表されるビンテージな雰囲気が注目されていること

などが挙げられます。 

 

我が家を最大の資産に

他の欧米諸国と同じように、日本でも住宅が適正に評価されるようになれば、マイホームを持つ人は実質的に数千万円規模の資産価値を手にすることになります。これは、昨今騒がれる老後問題への非常に有効な解決策になるはずです。日本の住宅市場は今、まさにその大きな変革の入り口に立っています。今あるお住まいを丁寧にメンテナンスしていくことは、将来のゆとりある暮らしを築くための確かな近道となるでしょう。

 

-ORINAS MAGAZINE2026年7月号より-

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