今回は、住まいの寒さ対策についてお話しいたします。
「たくさん着込まないと寒い家」の現状
一昨年に放送された大河ドラマ『光る君へ』をご覧になっていた方も多いと思います。あの時代の貴族の邸宅は壁が少なく開放的で、藤原道長ほどの権力者であっても冬はさぞ寒かったことでしょう。十二単など衣服を何枚も重ね着することで、なんとか寒さをしのいでいた時代です。
実は現代の住宅にも似たような側面があります。温暖な気候の和歌山県ですが、約30年前までに建てられたお住まいの多くは、アルミサッシや最低限の断熱材が使われている程度で、断熱性能は十分とは言えません。現在ある住宅の大部分が、いまだに「たくさん着込まないと寒い家」のままなのです。
リフォームで優先すべき2つのポイント
和歌山県は寒さが引き金となる高血圧や脳血管疾患などの健康リスクが、全国的に見ても高い傾向にあります。家全体を断熱改修するのが一番ですが、ご予算の都合もあるかと思いますので、まずは優先すべきポイントを2つご紹介します。
優先順位の第1位は「お風呂」です。昔ながらのタイル張りのお風呂や、古いタイプのユニットバスを、最新の高断熱ユニットバスへ交換すること。これは単なるリフォームではなく、ヒートショック事故から「命を守るためのリフォーム」と言えます。

第2位は「窓」の断熱化です。冬場、室内の暖かい空気の約6割は窓などの開口部から逃げていきます。ご家族が長く過ごすLDKや、就寝時の寝室に「内窓」を取り付けるだけで、見違えるほどの保温効果を実感できます。

補助金を活用して、暖かく健康な毎日を
2026年度も引き続き、こうした断熱リフォームに対して国から補助金が交付される見通しです。住環境の向上は、これからの人生の質を大きく引き上げてくれます。「家は寒いもの」と我慢せず、補助金制度を賢く利用して、暖かく健康に暮らせる毎日を手に入れていただきたいと思います。
-ORINAS MAGAZINE2026年3月号より-
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