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"10円玉"の教訓"  師から教わった事(真の教養と知性)   

夕方の薄暗がりの中、硬貨を一つ道端に落としました。

転がり去った小銭は、すぐには見つからない。

ピアノの先生と、駅へ向う途中での出来事。

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道傍にしゃがみ込み、

小銭を探してくださる先生に

私は、不用意にも

「なくても大丈夫です。」と言いました。

ご多忙の先生に、気遣ったつもりでいたのです。

先生は、なんのためらいもなく

「是非、探しましょうよ。」と。

当時、500円玉はありませんでした。

たとえ、100円玉を落としたのであっても、

電車で家までは帰れる。

中学生の私は、拾わなくても大したことなはい、

という "恥知らずのおごり"があったのです。

しばらく、溝の中を覗いたりして、

先生が、硬貨を見つけて

私の手に渡してくださいました。

そこには、少し濡れた茶色い10円玉が一つ。

それから、駅で切符を買い自宅へ戻りました。

改札で気が付いたのですが、

その10円玉がなかったら、切符が買えなかったのです。

その日に限って、

お財布には、交通費に足るぎりぎりの金額しかなく、

電車の中でも、家に着いてからもしばらくは

深く落ち込みました。

10円玉を大切にしない自分を

思い上がった人間だと深く恥じ、

また、"先生にどう思われただろう"とも

後悔でいっぱいでした。

親からもらた交通費。

"10円"を自分で稼いだこともなく・・

IMG-3095.jpg

今、振り返ると

あの日の10円玉が、

後の人生に、大きく影響を与えてきました。

家計簿をつけたり、

友人との細かい割り勘の勘定も

正直言って、苦手です。

ですが、1円玉、5円玉を大事にする気落ちは

いろいろな場面で、私の行動を変えています。

時代の求める "コスパ"・ "効率"という観念と

少々、離れているかもしれません。

教えていただいたことは、

ピアノだけではありませんでした。

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他の音楽家の方から

先生は、元華族のご出身と聞きました。

頂くお手紙は、和紙に毛筆でしたためられ、

絵画への造詣も深く

ゴッホの "ひまわり"が、お好きでした。

その影響か

カンバスの中の油絵の具が

版画や彫刻のように盛り上がる

あの独特の作風に、

私も強く惹かれます。

(絵を描かれることでも知られていたそうです)

様々なご指導の中から

"人間の中身"が伝わります。

学びの深さは言わずとも知れます。

(失礼な表現で申し訳ありません)

おそらく、大正末か昭和初めの、お生まれなのでしょう。

先生の娘さんは

世界的に有名なピアニストになられました。

お嬢様も、真に知性と教養を備えた方です。

・・エピソードは尽きません。

残念ながら、大先生はすでにお亡くなりになり、

パり在住のお嬢様には、

直接お会いする機会は、なくなりました。

当時の恩師の知性や教養は

偏差重視の学校教育だけでは

培われないもの、のように感じます。

最後に一つ。

先生は、よく本を読んでおられました。

電子の時代に変わりつつありますが、

紙の本は、また、

私には手放せません。

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(ゴッホではありません。現代アートの傑作です)

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