リフォームの基礎知識と費用の相場
雨樋の修理は自分で可能?依頼できる業者と費用相場、不具合の原因
国内では多くのお家の屋根の先に「雨樋(あまどい)」と呼ばれる筒状の建材が取り付けられています。雨樋には、屋根から流れ落ちる雨水を地面まで排水する役割があります。これにより雨水がはねて建物が腐食したり、雨音で騒音が発生したりするのを防いでいるのです。そのため、ご自宅の雨樋にトラブルが発生したら、速やかに修理しましょう。
この記事では、住まいにおいて大切な雨樋の修理に関する基礎知識を解説します。修理を依頼する業者の選び方や、費用相場、よくある不具合の原因などをご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
雨樋の修理は自分でできる?
雨樋の修理は、基本的にDIYで対処するのはおすすめできません。多くの場合、雨樋の修理は足場が必要な高所での作業となります。危険がともなうため自分で作業するのは避けて、安全な設備を備えた業者に依頼するのが望ましいでしょう。
自分で修理できる範囲の目安として、危険をともなわない低所での簡単な修理であれば、DIYで対処できる可能性があります。具体的には、地面に近い部分の小さな穴やひび割れの補修といった応急処置が挙げられます。ただし、こうした軽微な補修であっても、自分で対処するのに少しでも不安がある方は業者にご相談ください。
雨樋の修理はどこに依頼する?
雨樋の修理は、どの修理業者に依頼すれば良いのでしょうか。ここでは、主な依頼先の種類や選び方のポイントなど、業者選びでチェックしておきたい情報をご紹介します。
主な依頼先
雨樋修理の専門業者
お住まいの地域に雨樋の修理を専門とする業者があれば、雨樋のプロに修理を任せると良いでしょう。専門業者は雨樋のメンテナンスに関する専門知識が豊富で、技術力も高いのが特徴です。また、専門業者は自社の職人が施工を担うため、他の依頼先よりも費用がリーズナブルな傾向にあります。ただし、屋根や外壁などの施工もまとめて依頼したいケースでは、雨樋の修理以外の工事内容に対応できない可能性があることに留意しましょう。
ハウスメーカー・工務店
ハウスメーカーや工務店には、雨樋の修理を含む住まいの幅広い範囲のメンテナンスを依頼できます。ハウスメーカーは大規模で知名度が高く、全国的にサービスを展開しているのが特徴です。工務店は地域密着型で運営している業者が多くあります。いずれも住宅に関する総合的な知識と技術があるため、雨樋の修理以外のお悩みも含めて相談しやすいでしょう。ただし、一般的にハウスメーカーや工務店は施工を下請けの業者に委託しているため、価格帯が高くなる傾向にあります。
ホームセンター
お近くのホームセンター経由で雨樋の修理を依頼する方法です。通い慣れた店舗で相談できる安心感や、買い物のついでに立ち寄れる気軽さが魅力だといえるでしょう。また、ホームセンターによってはリフォーム相談会を開催していることがあり、キャンペーン期間中はお得な価格で工事を依頼できたり、ポイントが付与されたりといったメリットもあります。ただし、施工に使える商品の選択肢が限られていたり、施工する業者を選べなかったりするのが注意点です。
屋根工事の専門業者
屋根工事の専門業者に雨樋の修理を依頼する方法です。屋根に関わる幅広い高所作業を専門とする業者なので、雨樋工事と併せて屋根材の交換・屋根塗装・防水工事などのさまざまな屋根リフォームを依頼できます。これらの工事をまとめて行うことにより、個別に行うよりも足場を組む費用を最小限に抑えられるのがメリットです。
外壁工事の専門業者
外壁工事の専門業者に雨樋の修理を依頼する方法です。外壁は住まいの中でも定期的なメンテナンスが必要な箇所となります。そのため、外壁塗装や外壁の張り替え、コーキングの補修といったメンテナンスと併せて雨樋の修理を行うのも一つの手です。外壁工事では足場設置が必要なので、工事費用を抑えるならまとめて雨樋の修理を検討すると良いでしょう。
依頼先選びのポイント
ここまで雨樋の修理に対応可能な業者の例をご紹介しました。依頼する業者を選定する際は、相見積もりを取って比較検討することが大切です。一般的に相見積もりは無料で依頼でき、複数社の見積内容を比べながら修理費用の相場を確認できます。これにより、連絡や対応が丁寧な会社を見つけたり、料金が不当に高い悪徳業者を見抜いたりしやすく、業者選びでの失敗を避けやすくなるでしょう。
なお、雨樋と併せて屋根や外壁の修理を考えている場合は、その他の工事までカバーできる業者を選ぶのがおすすめです。例えば、雨樋の修理と併せて屋根の雨漏り修理や葺き替えを検討しているなら、屋根工事にも対応可能な業者に依頼しましょう。
雨樋の修理にかかる費用相場
雨樋の修理にかかる費用は、状況によって異なりますが、以下が大まかな目安となります。
修理内容 | 費用の相場 |
雨樋の補修 | 5千円~3万円 |
雨樋の部分的な交換 | 1万円~10万円 |
雨樋の全体的な交換 | 15万円~70万円 |
修理内容や使用する材料ごとに相場が異なるほか、足場の有無によっても金額に大きな差が生じます。実際にかかる費用は具体的な条件に応じて変わるので、業者に見積もりを依頼して確認すると良いでしょう。
雨樋が壊れる主な原因と対策
雨樋のトラブルは以下のような原因によって発生する可能性があります。最後に、雨樋の故障の主な原因や、スムーズな対処につなげる点検方法をご紹介します。日頃からご自宅の雨樋の状態を確認しておきましょう。
雨樋が壊れる主な原因
ゴミの詰まり
風で飛んできた落葉などのゴミが雨樋に詰まって水が流れなくなることがあります。また、雨樋にコケなどが生えて詰まるケースも珍しくありません。業者の清掃によって詰まりを解消できる可能性があります。
経年劣化
雨樋は日常的に紫外線や雨風などによる影響を受けるため、経年劣化による破損が生じる可能性があります。雨樋の耐用年数は約20年となっているので、必要に応じて交換工事を検討しましょう。
天候などの影響
雨樋が自然災害の被害を受ける可能性があります。例えば、大雪が降って雪の重みで雨樋が外れたり、台風や強風で飛んできた飛来物が雨樋にぶつかったりして、損害を受けるリスクがあるでしょう。
支持金具の不具合
雨樋の支持金具の不具合で正常な傾斜が保たれていない場合は、排水に問題が生じるおそれがあります。金具に外れや歪みが生じたら、パーツ交換を行う必要があります。
雨樋を壊さないための主な対策
万が一、住まいの雨樋にトラブルが発生したら、できるだけ早く業者に相談して適切な工事を行うことが大切です。そのためにも、定期的に雨樋の目視確認を実施し、変形や破損といった異常の有無をチェックすると良いでしょう。また、業者に依頼して定期的に雨樋の掃除を行うのも効果的です。大切な雨樋をメンテナンスによって長持ちさせましょう。
雨樋のトラブルは放置せず早めにプロによる修理を検討しましょう!
ここまで、雨樋の修理に関する基礎知識をお伝えしました。雨樋の修理は高所作業となるため、基本的には業者に依頼すると安心です。雨樋工事の依頼先には複数の選択肢があり、業者の種類によってメリット・デメリットがあります。相見積もりを取った上で、目的に合う業者を選びましょう。雨樋は屋外のゴミや自然災害によって破損するリスクを避けられないため、定期的にご自身で点検を行うとともに、トラブルが発生したら速やかに修理をご検討ください。