リフォームの基礎知識と費用の相場

窓を埋める(塞ぐ・なくす)工事の種類と相場、メリット・デメリット

窓を埋める(塞ぐ・なくす)工事とは、不要な窓を撤去したり、シャッターで塞いだり、ボードをはめ込んだりすることで、窓をなくす工事のことです。家の防犯性や防音性、断熱性などを高めるメリットがあります。お住まいの悩みを解決する手段の一つとして、窓を埋めるリフォームを検討してみましょう。

この記事では、窓を埋めるリフォームのメリット・デメリットや主な工事の種類、費用相場、コストを抑えるポイントなどをご紹介します。

窓を埋める(塞ぐ・なくす)リフォーム工事のメリット・デメリット

窓を埋めるリフォームを実施することで、ご自宅のさまざまな悩みを解決できることがあります。まずは、窓を埋める工事のメリット・デメリットについて解説します。

窓を埋めるリフォーム工事を行うメリット

プライバシーを守りやすくなる

「隣家の窓と距離が近く、お隣の人と目が合ってしまう」「道路に面した窓から家の中が丸見えで、防犯面が気になる」といった問題に悩まされるケースは少なくありません。目隠しフェンスを立てる方法もありますが、場所によっては設置が難しいこともあるでしょう。そんなときは、窓を埋めることでプライバシーを確保できるようになります。

防音性能を強化できる

窓はガラス1枚でつくられており、音を通しやすい傾向にあります。自宅周辺からの騒音が入りやすくなるほか、室内の音が外へ漏れてしまうのも気になるところです。窓サッシのすき間を塞ぐようにテープを貼って対策する方法もありますが、それほど効果が感じられないこともあるでしょう。窓を埋めてしまえば、住宅の防音性能を高められることがあります。

部屋の断熱効果が高まる

窓を埋めると、隙間風の侵入やコールドドラフトが起こりづらくなり、断熱効果を向上させられるのもメリットです。コールドドラフトとは、部屋の暖かい空気が冷たい窓ガラスにより冷やされ、床や足元に冷たい空気が来ることを指します。暖かい空気は上昇する性質があるので、室内の上下で温度差が生じてしまうのです。

加えて、窓は部屋の中でもっとも暖かい空気を逃がしてしまう場所といわれています。窓をなくすことで冷気を遮断でき、より快適に過ごしやすい部屋を作り出せるでしょう。

結露やカビの発生を軽減できる

窓に水滴が生じる「結露」は、室内と外との温度差によって起こります。結露を放置しているとカビの原因にもなるため注意が必要です。窓を埋めることで結露の問題がなくなり、カビの発生も防ぎやすくなるでしょう。

窓を埋めるリフォーム工事を行うデメリット

一度埋めると元に戻すのが難しい

窓を埋めるリフォーム工事には、いくつかの種類があります。工事の内容次第では元の状態に戻すのが難しくなるケースもあるため気をつけましょう。例えば、既存の窓を完全に撤去して壁にする工事の場合、再び窓を設置したいときには再工事が必要となり、まとまった費用がかかります。

部屋が暗くなりやすい

窓を埋める際は採光に問題がないか確かめておくことが重要です。自然光が入らなくなるため、部屋が暗くなってしまいます。必要に応じて、照明を増やして対応することになるでしょう。

換気しにくくなる

部屋の換気を行う際は、ドアや窓を開けて空気の通り道をつくる必要があります。窓を埋めると開放できる箇所が減り、空気の流れが悪くなります。換気しにくくなると、湿気や悪臭がこもりやすくなる点に注意が必要です。浴室やキッチンなどの窓を埋める場合は、換気扇のみで十分な換気が可能か確かめておきましょう。

窓を埋める(塞ぐ・なくす)リフォーム工事の種類

窓を埋める工事は、既存の窓を撤去する方法と、窓を残す方法に大きく分けられます。それぞれのリフォーム方法についてご紹介します。

窓を撤去して行うリフォーム工事

サッシやガラス、網戸などをすべて取り外し、窓があった場所を壁にするリフォーム工事です。壁下地や断熱材などを入れ、石膏ボードで塞ぎます。室内側は壁紙、屋外側は外壁を張って仕上げます。構造的な変更を伴うため、窓枠を残すリフォーム工事に比べて費用や時間がかかるのが注意点です。窓の撤去や埋め込みだけではなく、クロス張り替えや外壁塗装などの補修費用も必要になります。

このリフォーム方法であれば、元から窓がなかったかのようにきれいに仕上げることができます。ただ、簡単には元に戻せなくなるため、慎重に検討した上でリフォームを決めましょう。

窓を残して行うリフォーム工事の種類

シャッターを取り付ける

既存の窓の上からシャッターを取り付けるリフォーム方法です。基本的に窓の外側に設置します。シャッターには手動で開閉するタイプと電動式のタイプがあります。開閉の手間を考慮してご自宅に合う商品を選びましょう。

外付けルーバーや格子を設置する 

窓の外側に外付けルーバーや格子を取り付けるリフォーム方法です。ルーバーや格子は、カラーバリエーションやデザインが豊富なのが魅力となります。外壁のテイストと合う、おしゃれな製品を探してみましょう。

室内側をボードで埋める

窓をそのまま残しながら、室内側にボードやパネルなどを取り付けて埋めるリフォーム方法です。内装工事のみで手軽に済ませやすいメリットがあります。ただし、断熱処理をしっかりと行わなければ、結露が生じやすくなる可能性があるため気をつけましょう。

窓を埋める(塞ぐ・なくす)リフォーム工事の費用相場

リフォーム工事の種類によって、費用相場は異なります。安価な方法であれば3万円程度から施工できますが、方法次第では40万円程度の支払いが必要になることもあります。また、同じ種類のリフォーム工事であっても、使用する素材や可動の有無、施工業者の違いなどにより、工事費用は変動する点に注意しましょう。2階の窓をリフォームする場合は、足場代の分が加算されて高くなるというケースもあります。

<窓を埋めるリフォーム工事の種類別の相場>

窓を埋めるリフォーム工事の種類費用相場
窓を撤去して行うリフォーム8万〜30万円
シャッターを取り付ける・手動タイプ:17万~21万円・電動タイプ:28万~48万円 
外付けルーバーや格子を設置する・ルーバー:5万〜12万円・格子:3万~8万円
室内側をボードで埋める5万〜10万円
※費用相場はあくまで参考価格です。実際の費用はリフォーム時に必ず施工店へご確認ください。

窓を埋める(塞ぐ・なくす)リフォーム工事の費用負担を抑える方法

窓を埋める工事を行いたいものの、予算内に収まるか心配という方も多いのではないでしょうか。ここでは、リフォーム工事費用を抑える3つのポイントを解説します。

補助金を利用する

窓のリフォームを行う際、国や自治体から提供される補助金・助成金を利用できることがあります。     

しかし、補助金の制度は年によって変わることが少なくありません。例えば2023年から始まった「先進的窓リノベ事業」は2025年も実施されます。2025年度の関連する補助金事業に関しては、以下の記事に記載の情報もご参照ください。

株式会社LIXIL 「住宅省エネ2025キャンペーン

複数の業者から見積もりを取る

リフォーム業者に依頼する際は、複数の業者から相見積もりを取るようにしましょう。複数の見積もり価格を確認することで相場を把握しやすくなります。結果、相場より高額な工事費用を取られるといった失敗を防ぐことにつながるでしょう。ただし、費用が安すぎる業者も工事の品質に問題があるケースが見られます。価格やサービス内容を比較して、コストパフォーマンスの良い業者を選定しましょう。

DIYに挑戦する

窓に断熱シートを貼ったり、発泡スチロールをはめ込んだりといった、簡単な作業であればDIYで対応できることがあります。材料費のみで済むため、リフォームよりもコストを安く抑えられるでしょう。ただし、場合によっては結露が起こりやすくなり、カビや腐食を招いてしまうこともあるため注意が必要です。また、窓の撤去やシャッターの取り付けなど、難しい工事はプロに依頼することがおすすめです。特に断熱処理が必要な工事は、カビや結露を防ぐためにも専門家に任せたほうが良いでしょう。

窓を埋める(塞ぐ・なくす)リフォーム工事はプロに依頼しましょう

窓を埋めるリフォームは、家の防寒・防音・防犯対策などに悩む方におすすめです。窓の位置を気にせずレイアウトできるようになり、家具の配置がより自由になるメリットもあります。ただし、日当たり・風通しが悪くなる点や、施工方法によっては元通りにするのが難しい点などには注意しておきましょう。

また、窓を埋める工事費用は、工事の種類や購入する商品など、さまざまな条件で変動します。費用負担をなるべく抑えたい場合はDIYにチャレンジする選択肢もありますが、難しい工事はプロの業者に任せるのがおすすめです。見積もり時に相談し、希望の予算や工事方法を伝えて、ご自宅に適した方法を提案してもらいましょう。