リフォームの基礎知識と費用の相場
家の目隠しフェンスとは?種類と設置費用の相場、高さの決め方
「家にいるとき、外からの視線が気になってしまう……」そんな悩みを解決できるのが目隠しフェンスです。背の高いフェンスを設置すれば通行人の視線を遮り、自宅が丸見えになるのを防ぐことができます。ただし、目隠しフェンスには多くの商品があり、素材によっても値段やメンテナンス性などが異なります。設置の目的に応じた高さを選ぶことも大切です。この記事では、目隠しフェンスのメリット・デメリットや主な種類、設置工事の費用相場、高さを決めるときのポイントなどをご紹介します。

家の目隠しフェンスの概要とメリット・デメリット
ご自宅に目隠しフェンスを設置すると、どのような効果があるのでしょうか。ここでは、目隠しフェンスの基礎知識や、知っておきたいメリット・デメリットをご紹介します。
家の目隠しフェンスとは?
目隠しフェンスは、家の「目隠し」として活躍する背の高いフェンスのことです。一般的なフェンスよりも高さがあり、外部からの視線を遮れるため、「通行人の目が気になる」「プライバシーを確保したい」「防犯対策をしたい」という場合に設置されます。
例えば、家が道路沿いにある場合、道路に面した箇所に目隠しフェンスを立てることで、通行人や車からの視線を防げます。他には、玄関ドアを開ける際に家の中が見えないよう玄関前に設置したり、浴室に窓を作る場合は浴室周りにも設置したりすることがあります。隣家が気になる場合は、家と家の間に設置すれば視線を遮ることが可能です。その他、庭の囲いとしても用いられます。
主な施工方法は2種類です。フェンスを独立させて設置する方法と、ブロック塀の上に設置する方法があります。
家に目隠しフェンスを設置するメリット
外部からの視線を遮ることができる
目隠しフェンスを立てておくと、外からの視線を気にせずに過ごすことができます。家族で庭に出て遊ぶときや、洗濯物を外干しするときなども、プライバシーを守れるのがメリットです。
敷地の境界が分かりやすくなる
フェンスを設置すれば、道路と私有地を明確に仕切ることができます。外部の人が誤って入ってくる事態を防げるため安心です。
家に目隠しフェンスを設置するデメリット
日当たりや風通しが悪くなることがある
目隠しフェンスを隙間なく立ててしまうと風通しや日当たりが悪くなり、カビやコケなどの原因になることがあります。外壁や住宅の寿命に影響するケースもあるため、注意が必要です。また、窓の外を完全に覆うようにフェンスを立てると、採光できずに室内が暗くなってしまうでしょう。日当たりを確保したい場合は、半透明のパネルをはめ込んだ製品を選ぶのも一つの方法です。
さらに、風の強い地域の場合はフェンスが倒れてしまう可能性を考慮し、通風性のあるデザインを選ぶことがおすすめです。例えば、格子状のルーバータイプのフェンスなら、羽板の間に適度な間隔があいているため、風の抵抗を受けにくくなります。
圧迫感を感じることがある
目隠しフェンスは高さがあるため、圧迫感を覚えてしまうことがあります。圧迫感を抑えたい場合、フェンスの高さやデザインなどを工夫してみましょう。
例えば、窓の前など目隠しが必要な箇所のフェンスの背は高くして、その他の部分は背の低いフェンスを設置すれば全体の圧迫感を減らせます。また、フェンスの上部のみを板で覆い、足元の部分は柱のみにするといった方法もあります。外構工事に詳しい施工業者へ相談して、ご自宅に合う方法を探してみましょう。
家の目隠しフェンスの主な種類
目隠しフェンスは素材によって、デザイン性や費用のほか、メンテナンス性や耐久性にも違いが出てきます。フェンスを設置する目的や場所、予算、建物の外観との調和など、さまざまな条件を考慮して選びましょう。ここでは、目隠しフェンスの主な素材の種類や、それぞれの特徴をご紹介します。
アルミ製
アルミは住宅用のフェンスとして人気の高い素材です。軽量で扱いやすい一方、強度と耐久性がともに優れています。価格帯の幅は広く、予算に応じて選びやすい点も魅力です。
アルミフェンスは直線的でシンプルなデザインが基本です。「無機質な雰囲気になりそう」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、現在はホワイトやダークブラウンなど多彩なカラーがあり、木目調の塗装が施されているものもあるため、ナチュラルなテイストに合わせたい場合も選択肢に入れやすいでしょう。
樹脂製
より天然木に近い質感を求めるなら、樹脂製のフェンスがおすすめです。耐久性に優れており、変色しにくい材質のため、塗り替えのリフォームをしなくて済むケースも多くなります。反りやひび割れもほとんど見られません。
アルミ製に比べると耐久性は多少劣るといわれていますが、比較的安く購入しやすいのが強みの一つです。加工しやすいため、デザインの幅が広い点もメリットです。多彩なスタイルのガーデンと合わせやすいでしょう。
木製
天然の木材を使用したフェンスです。人工的な素材とは違った、温かみのある雰囲気を出すことができます。特に、植栽が多く庭づくりに力を入れている住宅や、自然豊かな住環境などに向いています。ただし、素材の性質上、耐久性はやや劣るとされており、定期的なメンテナンスが欠かせません。
家の目隠しフェンス設置工事の費用相場
<家の目隠しフェンス設置工事の費用相場>
タイプ別 | 費用相場(1mあたり) |
アルミ製 | 10,000円~60,000円 |
樹脂製 | 10,000円~30,000円 |
木製 | 30,000円~40,000円 |
安価な価格帯から選びたい場合、アルミ製や樹脂製のフェンスが候補となりますが、製品によっては値段が高めになることもあります。木製フェンスの場合は注文する板材の種類によっても価格が変動します。
また、フェンスの素材やサイズ、設置距離、基礎工事の有無など、さまざまな条件によって最終的な費用は大きく変わります。基本的には目隠ししたい面積が多くなるほど金額も高くなると考えておきましょう。
目隠しフェンスの高さの決め方
目的に応じて設置すべき目隠しフェンスの高さの基準は異なります。また、法律によりブロック塀+フェンスの高さには制限があるため、設置前に業者に確かめておくことが大切です。ここでは、目隠しフェンスの高さの基準や、高さの決め方をご紹介します。
ブロック塀+目隠しフェンスの高さの上限は2.2m(220㎝)
ブロック塀の上にフェンスを設置する場合は、建築基準法施行令によって定められた2.2m(220㎝)の高さ制限を守る必要があります。ただし、独立した基礎を利用したフェンスの取り付けであれば、高さ制限を受けずに2.2mを超えるフェンスの設置が可能です。ただし、フェンスが高くなるほど風の影響を受けやすくなる点には注意しておきましょう。
【出典】「ブロック塀の点検のチェックポイント」(国土交通省)
プライバシー保護が目的の場合
通行人からの視線を遮ってプライバシーを守りたい場合、身長程度の高さがあれば問題ありません。目隠しフェンスの高さは地面から180cm~200cmが目安です。人の目線は身長からマイナス10cm~15cm程度の位置に来るとされています。
防犯目的の場合
防犯を重視して目隠しフェンスを設置する場合、高すぎず低すぎない150cm前後が目安となります。というのも、フェンスが高すぎると、不審者が侵入した際に周囲から気づかれにくくなるからです。また、フェンスが低すぎると不審者が簡単に侵入しやすくなってしまうため、高すぎず低すぎない150㎝前後が適しています。
境界線として仕切ることが目的の場合
敷地の仕切りとしてフェンスを設置したい場合、それほど高さがなくても問題ありません。お隣との境界にあるコンクリートブロックなどに後付けすることも多いため、80cm程度のフェンスを設置するのが一般的です。フェンスの面積が小さいため、コストを削減しやすいといえます。
家の目隠しフェンスは目的・設置場所に合わせたタイプを選びましょう
目隠しフェンスをお家に設置すると、外からの視線を気にせず過ごせるようになるのが魅力です。しかし、設置場所や目的に合ったフェンスを選ばなければ、後悔してしまう可能性もあります。日当たりや風通しに問題はないか、目的に合った高さかといったポイントをチェックし、ご自宅に合う製品を探しましょう。
また、希望する条件によって最適なフェンスの種類や施工方法は変わってきます。見積もりの際は施工業者にしっかりと要望を伝えるようにしましょう。