「EVを買ったので、自宅でも充電できるようにしたい」
「せっかく設置するなら6kWの方がいいのでは」
「今の家に後付けできるのか分からない」
EVやPHEVを検討すると、自宅の充電設備について考える機会が増えてきます。
ただし、自宅用EV充電器は、充電器本体を選んで壁に取り付ければ終わりという設備ではありません。
車両側が対応している普通充電の出力、自宅の分電盤、専用回路、配線経路、駐車位置、車の充電口、壁面取付けかポール取付けかといった条件を一緒に考える必要があります。
LIXILのEV充電器について、3kWと6kWの違いから設置前の確認事項まで詳しくまとめた記事はこちらです。
https://lrs.senseproject.jp/?p=3871
これからEV充電器を検討する方は、まず「何kWにするか」だけではなく、「自宅と車の組み合わせで使いやすいか」という視点で考えてみてください。
■3kWと6kWは充電時間だけの違いではありません
3kWと6kWを比較すると、どうしても最初に目が向くのが充電時間です。
LIXILのEV充電器では、車両側が6kW充電に対応している場合、6kWタイプは3kWタイプより短時間で充電しやすくなります。
それなら6kWを選べばよいと思うかもしれません。
ところが、車両側が6kWの普通充電に対応していなければ、充電器側だけ6kWにしても、その能力をそのまま利用できない場合があります。
さらに、3kWと6kWでは必要になるブレーカー容量も異なります。
つまり、EV充電器選びでは「充電器の性能」と「車両側の性能」と「住宅側の電気設備」を切り離して考えないことがポイントです。
■毎日の走行距離と駐車時間も選ぶ材料になります
高出力だから必ず自分に向いているとは限りません。
たとえば、一日の走行距離が比較的短く、帰宅後から翌朝まで長く駐車できる使い方なら、充電時間を十分に確保できる場合があります。
反対に、毎日の走行距離が長かったり、帰宅してから次に出発するまでの時間が短かったりする場合は、短時間で充電しやすいことが大きな判断材料になります。
普段どのくらい走るのか。
何時ごろ帰宅するのか。
翌日は何時に車を使うのか。
充電設備を選ぶ前に、こうした日常の使い方を一度整理してみると、自分に必要な充電環境が見えやすくなります。
■分電盤に空きがあれば設置できるとは限りません
既存住宅へEV充電器を後付けするときに確認したいのが、住宅側の電気設備です。
LIXILのEV充電器では、単相200Vの専用回路と漏電ブレーカーが必要になります。
専用回路とは、EV充電器だけに電気を供給するための回路です。
そのため、現在の分電盤を見て「空いているところがあるから大丈夫」と判断することはできません。
既存配線や分電盤の状態、家庭内で使用しているほかの電気設備、希望する充電出力などを含めて確認する必要があります。
また、分電盤から駐車場所までどのように配線するかによっても施工内容は変わります。
電気工事を伴う部分は、資格を持つ専門業者へ確認してもらう範囲です。
■充電器の場所は車の充電口から考える
意外と見落としやすいのが、車の充電口の位置です。
EVの充電口はすべて同じ位置に付いているわけではありません。
前方にある車もあれば、後方や左右に配置されている車もあります。
自宅では前向き駐車なのか、後ろ向き駐車なのかによっても、使いやすい充電器の位置は変わります。
「ケーブルが届けば大丈夫」と考えるのも注意が必要です。
玄関への通路をケーブルが横切る。
乗り降りするときに邪魔になる。
ケーブルを毎回強く引っ張る必要がある。
こうした配置では、毎日の充電が面倒になりかねません。
車を普段通りに止めた状態で、充電口からどの位置に充電器があると使いやすいかを考えることが大切です。
■壁に付けるかポールを立てるか
住宅の外壁近くに車を駐車できる場合は、壁面取付けを検討しやすくなります。
一方、建物と駐車場所が離れている場合には、車の近くにポールを設置する方法もあります。
ただし、ポールを置きたい位置だけを決めても施工計画は完成しません。
分電盤からどこを通って電源を持ってくるのか。
土間コンクリートや舗装があるのか。
人や車の動線を邪魔しないか。
こうした外構条件も関係します。
設置場所は見た目だけではなく、充電のしやすさと配線のしやすさを両方確認して決める必要があります。
■相談前に写真を準備すると話が進めやすい
EV充電器について専門業者へ相談するときは、最初から何も分からない状態で現地調査を依頼する必要があるとは限りません。
車種や年式、普通充電の対応出力とあわせて、住宅や駐車場所の状況が分かる写真を準備すると、事前確認の材料になります。
分電盤の全体が分かる写真。
扉を開けて見える範囲のブレーカーの並び。
建物と駐車スペースが一緒に分かる写真。
車を普段の位置に止めた状態。
充電口の位置。
充電器を付けたい場所。
こうした情報があると、どこを追加で確認する必要があるのか整理しやすくなります。
もちろん写真だけでは判断できない住宅もあります。
その場合に必要な箇所を現地で確認するという流れなら、相談する側も施工する側も話を進めやすくなります。
■EV充電器は「車」と「住宅」をセットで考える
自宅用EV充電器で後悔しにくくするには、3kWと6kWの数字だけで比較しないことです。
車両側の普通充電対応出力。
普段の走行距離と駐車時間。
分電盤と専用回路。
分電盤から駐車場までの配線経路。
車の充電口と駐車方向。
壁面取付けとポール取付け。
これらを一緒に確認することで、自宅に合った充電環境を考えやすくなります。
LIXIL EV充電器の3kWと6kWの違い、必要なブレーカー、分電盤、専用回路、駐車位置、配線、専門業者へ相談するときに準備したい情報まで、詳しくはこちらの記事で解説しています。
https://lrs.senseproject.jp/?p=3871
EV充電器は一度設置すると、日常的に使い続ける住宅設備になります。
現在の車だけでなく、普段の生活や将来の車の買い替えまで少し視野に入れながら、公式情報と施工条件を確認して比較することが、後悔しにくい選択につながります。