リフォームの基礎知識と費用の相場
フルリフォームの費用目安は?工事期間や部分リフォームの費用、安く抑えるコツを解説
このコラムのポイント
- 戸建てとマンションのフルリフォーム費用を、工事範囲と広さに分けて把握できる
- 水回り・内装・外装・断熱・耐震・バリアフリー化の費用目安が分かる
- 見積もりで確認したい費用の内訳と、予算超過に備える方法が分かる
- 2026年に活用できる補助金・減税制度の概要が分かる
フルリフォームの費用は、延べ床面積や築年数だけでは決まりません。同じ広さの住まいでも、設備交換を中心に進める工事と、間取りや配管まで見直す工事では、必要な予算が大きく変わります。先に相場だけを当てはめると、見積もり後に追加費用が膨らむおそれがあります。
そのため、リフォームの予算を考える際は、希望する工事範囲と優先順位を決めておくことが大切です。
本記事では、2026年の費用相場と工事期間を整理し、戸建て・マンション別の違いや部分リフォームの費用を解説します。

フルリフォームとは?
フルリフォームは施工会社によって工事範囲が異なるため、名称だけでは改修内容を判断できません。内装・設備の更新範囲や解体する部分を把握し、次の工事との違いも整理しておきましょう。
・部分リフォーム:住宅の一部を修繕・更新する
・リノベーション:間取りや性能を見直し、住まいに新しい機能や価値を加える
・建て替え:基礎から解体し、新しい住宅を建築する
フルリフォームの定義
フルリフォームとは、基礎や柱・梁などの構造部分を生かし、住宅全体を改修する工事です。法律などで定められた統一の定義はなく、施工会社によって工事範囲が異なります。
大規模な工事では、壁や床、住宅設備を撤去し、骨組みに近いスケルトン状態にしてから内装を造り直します。構造上の制約がなければ、間仕切り壁を移動してLDKを広げたり、部屋数や水回りの配置を変更したりすることもできます。
フルリフォームと建て替えの違い
フルリフォームと建て替えの違いは、既存住宅の基礎や構造部分を残すか、解体するかにあります。フルリフォームは基礎や柱・梁を生かして住宅全体を改修し、建て替えは基礎から解体して新しい住宅を建築します。
建て替えは建物の形や間取りを一から計画できる一方、既存住宅の解体・廃棄費用と新築費用がかかります。そのため、工事の総額はフルリフォームより高くなる傾向があります。
フルリフォームとリノベーションの違い
フルリフォームとリノベーションには、法律で定められた明確な区分はありません。一般的に、フルリフォームは住宅全体を改修する工事を指します。対して、リノベーションは、暮らし方に合わせて間取りや住宅性能を見直し、住まいに新しい機能や価値を加える大規模改修を指します。
フルリフォームでも、間取りを変更したり、断熱性や耐震性を高めたりする場合は、リノベーションと工事内容が重なります。そのため、施工会社によっては同じような工事をフルリフォーム、またはリノベーションと呼ぶことがあります。
フルリフォームの費用相場
フルリフォームの費用は、戸建てで800万円~4,000万円程度、中古マンションで650万円~3,000万円程度が目安です。
工事の規模や内容によって金額の幅が大きく、建物の広さだけで総額は決まりません。築年数や建物の工法、これまでの使用状況に加え、配管・断熱・耐震補強まで工事するかによって必要な予算が変わります。
戸建てで、骨組みの状態から全面的に作り直す「スケルトンリフォーム」を行う場合、延べ床面積別の費用目安は次のとおりです。
| 延べ床面積 | 戸建ての費用目安 |
| 80~100㎡ | 800万~2,000万円 |
| 100~120㎡ | 1,500万~3,000万円 |
| 120~150㎡ | 2,000万~4,000万円 |
※費用相場はあくまで参考価格です。実際の費用はリフォーム時に必ず施工店へご確認ください。
戸建ては、延べ床面積が広いほど、解体や内装、設備にかかる工事量が増えます。
坪単価で考えるなら、おおむね50万円~100万円/坪が目安です。ただし、延べ床面積別の表と坪単価では、参照する工事範囲や条件が異なります。坪単価は初期予算を考えるために使い、見積もりでは内装・水回り・屋根・外壁・断熱・構造補強のうち、どこまで含まれているかを確かめましょう。
また、中古マンションのフルリフォーム費用は、「内装の一新だけの工事」と「間取りや配管まで変更する大規模工事」の2つで考えると、違いが分かりやすいです。
| 専有面積 | 標準仕様のスケルトンリフォーム | 間取り・配管変更を含むフルリフォーム |
| 50㎡ | 650万~850万円 | 750万~1,000万円 |
| 60㎡ | 750万~990万円 | 900万~1,200万円 |
| 70㎡ | 840万~1,120万円 | 1,050万~1,400万円 |
| 80㎡ | 920万~1,240万円 | 1,200万~1,600万円 |
※費用相場はあくまで参考価格です。実際の費用はリフォーム時に必ず施工店へご確認ください。
左列は標準仕様で住戸内部を造り直す場合、右列は間取りや配管の変更まで行う場合の目安です。右列は、1㎡あたり約15万円~20万円に相当します。見積もりでは、工事範囲と設備・建材の仕様、追加費用が発生する条件をそろえ、最終的な総額を比べてください。
フルリフォームにかかる工事期間
フルリフォームは、相談を始めてから引き渡しまで、戸建てで3~7か月程度、マンションで3~6か月程度を見込んで計画します。期間の内訳は以下のとおりです。
- 着工前の打ち合わせ・設計:2~3か月程度
- 戸建ての工事:1~4か月程度
- マンションの工事:1~3か月程度
構造補強や外装工事を伴う戸建て、大幅な間取り変更や配管更新を行うマンションでは、工期が目安を超えることがあります。戸建ては半年以上、マンションは3~5か月程度まで延びるケースもあるため、工事範囲が決まった段階で完成時期を見積もりましょう。
着工前には、現地調査をもとにプランと見積もりを検討し、契約後に設備や内装の仕様を固めます。希望する入居日がある場合は、工事期間だけを基準にせず、着工前の準備にかかる2~3か月も含めて相談を始めてください。
また、リフォームに必要な手続きは、建物の種類によって異なります。
- マンション:管理規約を確認し、規約で定める窓口へ工事内容を申請する
- 戸建て:建物の規模と工事範囲から、建築確認の要否を調べる
マンションでは、理事会などの承認を得るまで着工できないケースがあります。戸建ても、大規模な修繕・模様替えに該当すると、設計や審査にかかる期間が工程へ加わります。施工会社へ相談する段階で必要な手続きと申請期間を整理し、全体のスケジュールへ組み込みましょう。
なお、水回りや床を全面的に撤去する工事では、仮住まいが必要になる可能性があります。解体後に追加工事が発生すると引き渡しも延びるため、賃貸契約や荷物保管の期間には余裕を持たせておきましょう。
リフォームにかかる費用の内訳
リフォーム費用は、設備機器代と工事費に加え、現場管理や申請などの付帯費用で構成されます。見積もりで確かめたい内訳は次のとおりです。
・工事費:仮設・解体・木工・内装・給排水・電気など
・工事以外:設備機器・諸経費・駐車場代・確認申請手数料・設計費
工事でかかる主な費用
仮設工事費用
リフォーム工事を行う前に、工事に必要な設備を組み立てる費用です。養生費、足場工事費などのほか、工事に必要な機材などを搬入する運搬費が含まれることもあります。
解体・撤去費用
工事の際、既存の部材や設備などの解体・撤去が必要になった場合に発生します。撤去したものは廃棄物として処理されますが、そのための処分費用もかかります。
木工事費用
木材を使用して加工や組み立て、取り付けなどの工事を行う際にかかる費用です。建物の構造や下地、造作など、さまざまな部分の工事費は木工事費用に該当することがあります。
建具工事費用
扉や窓、ふすま、障子などの建具工事をする場合に生じる費用です。建具本体のみを交換するケースもあれば、枠ごと交換するケースもあります。
内装工事費用
壁紙・クロス、天井、床などの内装工事をする際に発生する費用です。元のお部屋の状態やリフォームする範囲、材料費などにより料金は変わります。
給排水設備工事
キッチンや風呂場、洗面室、トイレなどの水回りで給排水設備を工事する際にかかる費用です。水道管や排水管、給湯設備、給水タンクなどが給排水設備に該当します。
電気工事費用
照明やコンセント、スイッチ、アースなどの工事を行うときに必要な費用です。既存の設備の劣化具合や工事内容などにより、金額は大きく変動します。
左官・タイル工事費用
漆喰塗りやモルタル塗り(=左官)のほか、タイル補修や張り替えなどの際に生じる費用です。材料費や補修費用などが含まれます。タイル工事の場合は必要なタイルの枚数などによっても料金が変わります。
工事以外でかかる主な費用
設備機器費用
リフォームで新たに交換・追加する設備の費用です。洗面台や浴槽、トイレ、屋根、外壁など、さまざまなものが当てはまります。素材やグレードによって金額は変わります。
諸経費
一般的に、リフォーム会社の人件費や運営費、交通費などの費用が諸経費に含まれます。ただ、諸経費に何の費用を含めるかについて、明確な決まりはありません。リフォーム業者によっては「現場管理費および諸経費」など、その他の工事費と合わせて計上することもあります。
駐車場代
リフォーム中に工事業者の車両を自宅の駐車場にとめられない場合は、別の駐車スペースを手配しなければいけません。工事の日数×台数分の駐車場代が必要です。
確認申請手数料
リフォーム内容によっては確認申請が必要になるケースも少なくありません。その際に求められるのが確認申請手数料です。審査機関によって基準が異なり、手数料も変わります。
設計費
フルリフォームのように間取りの変更を伴う大規模工事をする場合、設計費が生じることがあります。部分的なリフォームであれば必要ないこともあるため、個別に確認しましょう。
【工事内容別】部分リフォームの費用相場
部分リフォームの費用は、工事する場所と範囲によって数十万円から数百万円まで幅があります。ここでは、水回り・内装・外装に加え、断熱・耐震・バリアフリー化の費用目安を工事内容別にご紹介します。
水回りのリフォーム費用相場
水回りの費用は、設備を同じ位置で交換するか、配管やダクトを移設してレイアウトを変えるかによって大きく変わります。工事費用の目安は次のとおりです。
| 工事内容 | 費用目安 |
| キッチン交換(位置変更なし) | 90万~150万円 |
| 壁付けキッチンから対面式へ変更 | 180万~280万円 |
| ユニットバスからユニットバスへ交換 | 80万~150万円 |
| 在来浴室からユニットバスへ変更 | 100万~180万円 |
| 在来浴室を在来工法で改修 | 200万~350万円 |
| トイレ交換・内装 | 15万~75万円 |
| 洗面台交換・内装 | 15万~35万円 |
キッチンや浴室は、設備のグレードに加え、給排水管やダクトを移設するかどうかが総額に影響します。また、位置を変更する工事では、床や壁の解体・復旧費用も加わります。
トイレと洗面台も、本体交換だけで済むケースと、壁紙・床・下地まで改修するケースでは見積金額が異なります。工事範囲を比べる際は、設備本体、撤去・処分、内装、配管工事が含まれているかを確認しましょう。
内装のリフォーム費用相場
15畳程度のリビングやダイニングを改修する場合、壁・天井のビニールクロス張り替えは10万~15万円、複合フローリングの上張りは20万~30万円、既存床を撤去して張り替える場合は40万~80万円が目安です。
| 工事内容 | 費用目安 |
| 壁・天井のビニールクロス張り替え | 10万~15万円 |
| 複合フローリングの上張り | 20万~30万円 |
| 既存床を撤去して張り替え | 40万~80万円 |
既存床の上から新しい床材を施工する上張りは、撤去を伴う張り替えよりも工事範囲を抑えられます。一方、床の下地に傷みや段差がある住宅では、既存床の撤去と下地補修が必要です。
施工面積のほか、家具の移動、巾木・建具の交換、下地の状態も総額に影響します。自然素材の壁材や床材、造作収納を採用する場合は、材料費と施工費を分けて把握しましょう。
外装のリフォーム費用相場
外壁リフォームは60万~500万円、屋根リフォームは50万~240万円が目安です。塗装、重ね張り・重ね葺き、張り替え・葺き替えの順に工事範囲が広がります。
| 部位 | 費用目安 |
| 外壁 | 60万~500万円 |
| 屋根 | 50万~240万円 |
費用は施工面積や下地の傷み、塗料・外壁材・屋根材の種類、足場の設置条件によって変わります。既存材を撤去する張り替えや葺き替えでは、解体費と廃材の処分費も見積もりへ加わります。
外壁と屋根の改修時期が近いときは、同時施工によって足場を共用できるか施工会社へ尋ねましょう。工事を分ける場合と総額を比べると、足場費を含めた負担の差を把握できます。
断熱工事のリフォーム費用相場
断熱リフォームは、内窓1か所の設置で5万~30万円、外壁全体へ断熱材を施工する場合は250万~400万円が目安です。
| 工事内容 | 施工範囲 | 費用目安 |
| 内窓の設置 | 1か所 | 5万~30万円 |
| 床下断熱 | 床下から断熱材を施工 | 40万~100万円(施工面積約50㎡) |
| 天井断熱 | 天井裏へ断熱材を充填 | 40万~65万円(施工面積約50㎡) |
| 外張り断熱 | 外壁へ断熱材を施工 | 250万~400万円 |
断熱改修は、断熱・気密・防湿・換気を一体で検討します。気密性の向上で室内湿度が上がる場合や、防湿層・気密層の不連続、施工上のすき間、室内外の温湿度条件などが重なると、結露が生じる可能性があるためです。
見積もりでは、既存断熱材の状態、施工範囲、断熱材・窓の仕様に加え、防湿・気密処理と換気計画もそろえて比較します。完成後に確認しにくい部分も多いため、施工方法や処理内容を仕様書へ記載してもらいましょう。
耐震工事のリフォーム費用相場
木造戸建て全体の耐震補強は、100万~200万円程度が目安です。ただし、耐震診断の結果や補強箇所、基礎・屋根の工事、内外装の復旧範囲によっては300万円を超える場合もあります。
| 対象工事 | 費用目安 | 主な変動要因 |
| 木造戸建て全体の耐震補強 | 100万~200万円 | 耐力壁・接合金物の追加、基礎補強、屋根の軽量化、解体・復旧範囲 |
耐震工事は、築年数だけで工事内容を決められません。まず耐震診断を受け、現在の耐震性能と補強が必要な箇所を把握します。そのうえで、施工会社や建築士と補強後の目標を定め、必要な工事を組み立てるのが一般的です。
バリアフリー化のリフォーム費用相場
手すりの設置や小さな段差の解消などの部分改修は10万~50万円、水回りや間取りまで変更する全面改修は150万~300万円が目安です。
| 工事範囲 | 主な工事内容 | 費用目安 |
| 部分改修 | 手すりの設置、小さな段差の解消 | 10万~50万円 |
| 全面改修 | 浴室・トイレの設備更新、引き戸への交換、廊下幅の拡張 | 150万~300万円 |
利用する人の身体状況や動作のしやすさによって、必要な手すりの位置や通路幅、段差の解消方法は変わります。実際の生活動線をイメージしながら、立ち座りや移動が無理なくできるかを基準に工事内容を検討してください。
※費用相場はあくまで参考価格です。実際の費用はリフォーム時に必ず施工店へご確認ください。
内装
内装のリフォームは、施工する面積のほか、壁紙や床材のグレード、工法の種類などによって費用に差が出る傾向にあります。たとえば壁紙の張り替えでは、スタンダードクロスで6畳あたり3.0万円~5.0万円、ハイグレードクロスで6畳あたり4.4万円~7.0万円が目安です。また、床のフローリングは張り替え工法で1畳あたり3万~6万円、重ね張り工法で1畳あたり2万~5万円となります。そのため、リビングの内装リフォームでは20万~150万円、ダイニングの内装リフォームでは50万~120万円といったように、全体で見ると総額に大きな差が出ることが少なくありません。
外装
外装のリフォームは、施工する面積や工法の種類などによって費用に差が出る傾向にあります。たとえば、砂利敷きは1㎡あたり3,000〜1万円、コンクリート舗装は1㎡あたり1万円が相場となっています。また、玄関のリフォームはカバー工法で30万~80万円、はつり工法(既存の玄関の枠を撤去して新しいドアを枠ごと設置する工法)で40万~100万円が目安です。このほかに、ガレージはタイプによって相場が異なり、独立ガレージでは100万~300万円、ビルトインガレージでは150万〜350万円が目安となります。
目的別のリフォーム費用相場
住まいでより快適に安心して暮らすためのリフォームは、目的によって相場が異なります。断熱工事の中でも、床断熱は30万~120万円が目安です。耐震工事は、耐震金物の設置で40万円、筋交いによる補強で5万~25万円と工事内容によって費用に差が出ます。バリアフリー工事も同様に、手すりの設置は3万~5万円ですが、段差の解消では5万~25万円と高額になる場合があります。
フルリフォームの費用相場
あくまでも一つの目安として、フルリフォームの費用相場は一戸建ての場合で1,200万~2,000万円、マンションの場合で800万~1,500万円程度です。一般的には、マンションよりも一戸建てのほうが高額となる傾向にあります。ただし、フルリフォームの費用相場は工事の規模や建物の状態によって異なります。場合によっては、相場よりも高額となる可能性も考えられるでしょう。
【築年数別】リフォームにかかる費用の目安
戸建てのリフォーム費用は、築10年で50万円~100万円前後、築20年で200万円~500万円前後、築30年で800万円~1,200万円前後、築40年以上で1,200万円~2,000万円前後が目安です。築年数が長くなるにつれて、水回りや内装に加え、屋根・外壁、給排水管、断熱、耐震まで工事範囲が広がるため、必要な予算も増える傾向があります。
| 築年数 | 戸建ての費用目安 | 主な工事の例 |
| 築10年 | 50万円~100万円前後 | 水回りの部品交換、クロスの張り替え |
| 築20年 | 200万円~500万円前後 | 水回り設備の交換、内装の更新、屋根・外壁塗装 |
| 築30年 | 800万円~1,200万円前後 | 内装の全面改修、配管交換、屋根・外壁工事 |
| 築40年以上 | 1,200万円~2,000万円前後 | 内外装の全面改修、耐震補強、間取り変更 |
表の金額には、各築年数で想定される工事範囲の違いも反映されています。たとえば、築10年では設備の部品交換やクロスの張り替えが中心ですが、築30年を超えると給排水管や下地、断熱性能、耐震性まで調査する必要があります。それによって劣化・不具合が見つかれば、表の金額を上回る場合もあります。
建て替えと比較したリフォームのメリット
一戸建てを改修するとき、リフォームと建て替えのどちらを選ぶべきか迷う方もいるでしょう。リフォームは、既存住宅の構造や使える部分を活かしながら、必要な箇所へ工事範囲を絞れるのがメリットです。詳しく見ていきます。
・費用相場が割安
・工事期間が比較的短期
・固定資産税の減税を受けられる場合がある
・住み慣れた家にそのまま住める
・資産価値が高まる可能性がある
費用相場が割安
一般的にリフォームのほうが工事費用は安くなる傾向にあります。全面リフォームの場合、工事の費用相場の目安は800万~2,000万円程度ですが、建て替え工事の費用相場は1,600万~3,000万円程度です。建物の保存状態が良ければ、リフォーム工事費をさらに抑えることもできます。
工事期間が比較的短期
建て替えの場合は、基礎部分から家を建て直します。フルリフォームの場合は基礎部分を残せるため、建て替えよりも工期が短く済みやすいといえます。
固定資産税の減税を受けられる場合がある
リフォームの内容によっては、固定資産税の減税制度が適用されるケースもあります。耐震リフォームやバリアフリーリフォーム、省エネリフォームなど、条件はさまざまです。
住み慣れた家にそのまま住める
リフォームでは、建物をすべて解体せず、住み慣れた家や周辺環境を残せます。柱や梁、家族の思い出がある部屋など、残したい部分を活かしながら住まいを改修できる点もメリットです。
部分リフォームで工事中も水道や電気を使える場合は、住みながら進められることがあります。ただし、スケルトン工事や水回り全体の改修では、安全面や生活への影響を考え、仮住まいを用意することが多いです。着工前に、工事中も使える部屋や設備、居住できる期間を施工会社へ尋ねておきましょう。
資産価値が高まる
リフォームをしても、住宅の資産価値が必ず高まるわけではありません。ただ、建物の劣化部分を補修し、耐震性・断熱性や設備性能、使い勝手を改善できれば、資産価値の維持・向上につながる可能性があります。べきか、ローンを借りるかどうかといった資金計画が変わります。無理なくリフォームを行うために、費用を抑えられるところはなるべく抑えることを意識しましょう。こちらでは、リフォーム費用を抑えるコツや注意点をご紹介します。
建て替えと比較したリフォームのデメリット
リフォームは既存の建物を活かすため、間取りや工事内容に制約が生じる場合があります。建物の構造や劣化状態によっては、当初の希望をすべて実現できない点に注意が必要です。
主なデメリットは、次のとおりです。
・間取りの自由度が低い
・建て替えよりも高額化する場合がある
・住宅ローンに比べて、リフォームローンには制限がある
間取りの自由度が低い
リフォームでは現在の建物を活かすため、間取りに制約が出てきやすい点はデメリットといえます。家の構造に関わる梁や柱、階段などを動かすことはできません。壁で家を支える「壁式工法」の住宅の場合、耐震構造に関わる柱や耐力壁を移動できないため、壁の移動や窓の追加は難しいでしょう。また、耐震構造上、天井を外す「吹き抜け」が難しい場合があります。
建て替えよりも高額化する場合がある
工事の内容次第では、建て替えよりも高額になる場合があります。たとえば、断熱リフォームや耐震補強のように家全体の性能を高める工事を希望する場合、予算も多く見積もっておいたほうが良いでしょう。
住宅ローンに比べて、リフォームローンには制限がある
リフォームローンは住宅ローンと比べると金利が高く、借入期間も短く設定されます。無担保で借りることはできますが、返済のことを考えると使いにくさを感じる方も多いでしょう。
工事内容に制限がある
リフォームは基礎や柱など既存の構造を残して工事するため、間取りを大幅に変更できない場合があります。柱や壁を移動できない住宅では、部屋の広さや水回りの配置など、間取り変更の自由度も限られます。
リフォームの費用を抑えるコツ
希望する工事をすべて盛り込むと、フルリフォームの見積額が予算を超える可能性があります。費用を調整するときは、暮らしに欠かせない工事を残し、設備や内装にかける金額を見直してみましょう。ポイントは次のとおりです。
・設備は必要な性能を基準に選び、オプションを増やしすぎない
・同じ場所に関わる工事は、できるだけ一度にまとめる
・劣化や安全性に関わる工事を優先し、後回しにできる内容を分ける
・見積条件をそろえ、総額と工事範囲の違いを比べる
・専門知識が不要な作業に限ってDIYを取り入れる
設備のスペックやグレードを落とす
リフォームで新しく設置する設備のスペックやグレードが高いほど、金額も高くなります。本当に必要な機能が付いたものだけを選ぶように気をつけましょう。
また、資金の使い道にはメリハリをつけることも大切です。必要な箇所には資金を投入しますが、こだわりのない箇所は妥協することも検討しましょう。事前に何を優先したいかを決めておき、リフォーム会社へ相談する際にしっかりと要望を伝えることがおすすめです。
まとめてリフォーム工事を行う
一部ずつ小分けでリフォームするよりも、一度にまとめて工事を済ませることで費用を抑えられることがあります。たとえば、足場が必要な外壁や屋根の工事は、一気に行うことで足場代の節約につなげられます。水道の配管工事を行う場合も、バスルームや洗面所などの水回りをまとめて工事するのがおすすめです。優先順位を決めて工事内容を絞る
予算の範囲で希望のリフォームをすべて実施することが難しい場合は、優先順位を決めて工事内容を絞ると良いでしょう。たとえば「家族が快適に暮らすために、まずは優先度の高いキッチンリフォームとバリアフリー化を行って、内装リフォームは後回しにする」といった形で取捨選択を行います。
複数の業者から相見積もりを取る
リフォーム会社を決めるときは、複数社に見積もりを依頼して、相見積もりを取ることをおすすめします。相見積もりを取ることで、同じ条件の場合の金額を比較しながら適切な業者を選べるようになります。また、相場を把握できるので、適正な価格でリフォームを依頼することが可能です。
自分でできるリフォームはDIYで行う
リフォームの費用を抑えるために、自分で対応可能な部分のリフォームはDIYで済ませるという方法もあります。たとえば、壁紙を張り替える作業や、床にDIY向けのフローリングを張る作業であれば、自分で対応することも可能です。一方、専門資格がなければ対応できない電気設備や給排水設備などの工事は、リフォーム会社への依頼が必須となるためご注意ください。
補助金や助成金、減税制度を利用する
リフォームの内容によっては、国や自治体の補助金・助成金、減税制度を利用できます。以下は、2026年8月時点で確認できる主な制度です。
| 制度 | 概要・公式サイト |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 高い断熱性能を持つ窓やガラスへの改修を支援する制度。https://window-renovation2026.env.go.jp/ |
| 給湯省エネ2026事業 | 一定の性能を満たす高効率給湯器の導入に対して、機器の種類ごとに定額を補助する制度。https://kyutou-shoene2026.meti.go.jp/ |
| 既存住宅の断熱リフォーム支援事業 | 高性能な断熱材・窓・ガラスなどを用いた改修を支援する制度。https://www.heco-hojo.jp/reform/ |
| 令和8年度 既築住宅のZEH+改修実証支援事業(ZEH+改修) | 既存戸建てをZEH+水準へ改修する設計・設備・工事を補助する制度。https://zehweb.jp/renovation/zehplus/ |
| 住宅ローン減税 | 一定条件を満たすと、年末時点でのローン残高の0.7%分を所得税(一部、翌年の住民税)から控除できる制度。https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html |
| 介護保険における住宅改修 | 要支援・要介護認定を受けた方が暮らす住宅で、住宅改修費の一部を給付する制度。https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001016043.pdf |
| その他自治体の補助金 | 対象工事、補助額、受付期間は自治体ごとに異なる。以下のサイトで検索できる。https://www.j-reform.com/reform-support/ |
制度ごとに対象となる住宅や工事、契約日、着工日、申請日、ほかの制度との併用条件が異なります。予算上限への到達や公募期限によって受付が終了するため、利用を検討するときは、契約・着工前に施工会社と各制度の公式要領で対象工事・受付状況を確認してください。
なお、2026年度の補助金についての詳細は、以下をご参照ください。
https://www.lixil.co.jp/shoenehojokin/2026
仮住まいを用意する
住みながらリフォームを進める際は、生活する部屋を残しながら、工事範囲を分けて施工します。家具の移動・養生も必要になるため、住宅を空けて工事するときに比べてコストがかかります。
仮住まいを用意すれば、施工会社は工事範囲を広く確保し、複数の作業を進められます。ただし、賃料や引っ越し代、荷物保管料などの負担が増えるため、仮住まいあり・なしの工期と総額、家族の生活への影響も踏まえて選びましょう。
フルリフォームの費用に関するよくある質問
リフォーム費用に関するよくある質問とその回答をご紹介します。今後のリフォームへ向けて疑問や不安を解消しておきましょう。
500万円台でリフォームはどこまでできる?
一戸建ての場合、基本的に500万円台でのフルリフォームは難しいため、部分的なリフォームにとどまることが多いです。たとえば、「水回りの部分的なリフォーム」「小規模な間取りの変更」「和室から洋室への変更」などが挙げられます。マンションリフォームの場合も同様に、部分的なリフォームであれば500万円台で実施できます。
一方、一戸建て・マンションのどちらの場合も、「耐震リフォーム」「断熱リフォーム」「大規模な間取りの変更」などは500万円台に収めるのが難しいといえるでしょう。
フルリフォームの見積もりをもらうにはどうする?見積もりにお金はかかる?
基本的に、多くの業者がリフォームの見積もりを無料で行っています。リフォーム会社に見積もりをもらうには、まず電話・メール・Webサイトなどの窓口から問い合わせを行う必要があります。見積もりの方法には、大まかな費用を算出する方法と、現地調査を実施して詳細に算出する方法があるため、目的に合わせて依頼しましょう。
予算を上回ってしまうケースは多い?
住まいのリフォームでは計画当初の予算を上回ってしまうケースが少なくありません。よくある事例として「予定よりも施工する場所が増えた」「不具合が見つかり修繕のための追加工事が発生した」「設備をグレードアップした」などが挙げられます。総額を予算内に収めるためにも、最初からある程度の余裕をもって予算を決めておくことが大切です。
フルリフォームの契約時に注意すべきことは?
リフォーム会社と契約を締結する前に、工事請負契約書・工事請負契約約款・見積書・設計図・仕上表などの重要な書類を確認し、不明点がないようにしておきましょう。その際は、工事の内容や金額、支払い方法などが書類へ正確に記載されているかチェックします。なお、業者によっては、仕上がりイメージを3Dの図面で見せてもらえる場合があります。契約前にデザインや雰囲気の最終確認をしておくことがポイントです。
フルリフォームにローンを利用できる?
金融機関によっては、リフォームの目的で利用できるローン商品を取り扱っています。リフォームローンは、住まいの増改築のほか、改修や補修などの目的で使うことが可能です。融資の詳細な条件については、各金融機関のWebサイトなどで確認してみましょう。
マンションのフルリフォーム費用は、戸建てと比べて安くなる?
マンションは外壁や屋根などの共用部分を住戸ごとに改修しないため、戸建てより費用を抑えやすいです。ただし、管理規約や共用配管の位置によって工事範囲が限られるため、希望する間取りを実現できるか事前に調べましょう。
2026年のフルリフォームで活用できる国の補助金制度は?
主な制度には、みらいエコ住宅2026事業、先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業、既存住宅の断熱リフォーム支援事業、令和8年度ZEH+改修があります。対象工事や併用条件、申請時期が異なるため、契約前に施工会社と各制度の公式サイトで受付状況を調べましょう。
リフォーム促進税制はどのような優遇を受けられる?
一定の耐震・バリアフリー・省エネなどのリフォームでは、所得税の控除や固定資産税の減額を受けられる場合があります。対象者や住宅、工事内容に要件があるため、工事前に国土交通省の最新資料と税務署・市区町村の案内を照らし合わせましょう。
フルリフォームの費用は工事範囲を決めて見積もりましょう
フルリフォームの費用は、住宅の種類や広さに加え、どこまで工事するかによって大きく変わります。内装や設備の更新にとどめるのか、間取り・配管・断熱・耐震まで改修するのかを整理し、自宅の計画に近い相場を参考にしましょう。
現地調査後は、複数社へ同じ希望条件を伝え、工事項目・数量・単価・別途費用を比べます。補助金や減税制度を利用する場合は、申請時期や対象工事を契約・着工前に調べてください。
フルリフォームの費用・工事範囲については、お近くのLIXILリフォームショップにてお問い合わせください。

